2006年11月29日 水曜日
Haklander et al. (ACP, 2006)を読む。Garcia (JAS, 1987)が導出した、wave dragが子午面循環の駆動と平均流の加速に使われる割合の周波数依存性を、現実のデータに適用して検証している。Garcia
(1987)を読んだときには、low frequency limitでは全て子午面循環の駆動に使われるのは当たり前で、high frequency
limitでは両者に半分ずつ使われるのか、なるほどと思った記憶があるだけだった。今回のHaklander et al.では、high frequency
limitでの分配率だけでなく、aspect ratioまで求めている。Aspect ratioはa prioriで与えるしかないと思っていたけど、計算で求めることが可能なんだ。この論文ではプラネタリ波ドラッグしか考えていないけど、中間圏での重力波ドラッグを考えたらどうなるのか興味深い。重力波のaspect
ratio分布が出ると、それはそのまま周波数分布ということになるのかな。
RAIDが本格的にやばくなったので、メーカーに交換部品の発送を依頼。部品が届いて交換するまでは使えないので、諦めて論文読みと事務仕事に専念。
2006年11月28日 火曜日
第48次南極観測隊が出発。成田までお見送りに。特にトラブルも無く例年通り。メンバーを考えるとおそらく来年もお見送りに来ることになるのだろう。
2006年11月27日 月曜日
先週やった計算がどうも間違っていたっぽい。モデル中の渦度拡散は絶対渦度に対してだと思って計算していたけど、相対渦度に対してが正解らしい。この修正で期待通りの方向に結果が変わってくれればいいんだが。ただ、RAIDの電源モジュールが再びエラー。再起動したらエラーは消えたけど、また交換しないといけないかも。やれやれ。
2006年11月25日 土曜日
篠田真由美の聖女の塔読了。桜井京介シリーズもクライマックスが近づいてきたようだ。ここに来て黒幕が登場。あとは主人公の過去と、主人公の父親のことが明かされれば完結か。さてどうなるのか。
朝日新聞にこんな記事が
出ていた。ただ、誤解している部分や煽りすぎかなという部分があってちょっとなぁという感じ。FTIR自体は別に世界初じゃないし、春の南極下部成層圏で
フロンが壊れるわけではないし。朝日新聞科学部記者の問題かどうかわからんが、もうちょっと正確かつ冷静な記事を書いて欲しい。
リチャード・ワイズマン博士の講演会を聞いてきた。心理学の研究者にしてマジシャンでもあり、イギリスでのサイエンスコミュニケーションの活動にも携わっ
ているという人物。自分の目で見たものしか信じない、という言葉があるけど、人間の目や思考がいかに惑わされやすいかを実感。観客の心を掴む話術やちょっ
とした小ネタもさすがという感じだった。結局、サイエンスカフェに代表されるサイエンスコミュニケーションの成功は、システムよりも個人の力量次第という
ことだろうか。
2006年11月22日 水曜日
SGEPSSに間に合わせようと思って間に合わなくて挫折していた解析を再開。明日までには計算が終わりそうだから、明日は休日出勤で結果の検証かな。うまくいってくれているといいんだが。
2006年11月21日 火曜日
今度行くAGUの旅費と参加費は某研究機関の研究費から出してもらうことになっているが、どうも事務でてこずっているらしい。それでも旅費の方はどうにかなりそうな雰囲気だけど、参加費は自費かも。しかも、講演の申し込みはしてたけど、registrationはしていなかったことに気付いて調べてみたが、ネット申し込みの期限は過ぎていて会場で直接$445を払うしかないようだ。アブストの投稿料と併せて$495。これを実費は勘弁して欲しいなぁ。
朝日新聞に面白そうな記事が出ていた。これってまさしくNaライダーのことだよなぁ。出力がもっと大きいんだろうか。こんな使い方があるんだなぁと感心。
2006年11月16日 木曜日
今日は一日中、重点プロジェクトシンポジウム。大御所から若手の方まで、第Ⅶ期南極観測についての提言を頂く。共通の理解としては、極地研は観測は頑張ってるけどその後の研究が不十分、観測の新奇性はあるけど全体的な方向性が無い、といったところか。ましてや通常より短い4年間の第Ⅶ期で、なおかつ船の無い年があり、そんな中で宙空圏-大気圏-海洋圏結合というあまりにも壮大なプロジェクトを実行するのは無理があると言わざるをえない。それに第Ⅶ期が始まってから第Ⅶ期観測の方向性を考えてもなぁ。まぁ自分は自分の出来ることをしっかりやっていくしかないか。
2006年11月14日 火曜日
ODIN/SMRを使って鉛直流速の図やら散布図やら作成。limbからのサブミリ波放射を見ているので全球でデータがあるのは嬉しいが、データの精度的にはILAS-Ⅱの方が絶対的に良かった。まぁ一長一短か。必要な情報は得られたような気がするからまぁいいか。
本日しらせ出航。隊員の出発は28日。今回は知り合いが結構いるので見送りに行く予定。
2006年11月13日 月曜日
ODIN/SMRのデコードにどうにか成功。結局IDLを使う羽目に。全然使ったこと無いからサンプルプログラムを元に悪戦苦闘。プロットしてみると、ILAS-Ⅱに比べてずいぶんエラーバーが大きい。まぁ観測原理から考えて当然だとは思うが。明日中には必要な解析を終了できるかも。
今年1月に掘り出したドームふじの氷は約72万年前のものだったらしい。最も深くまで掘ったボストークではドームふじに比べて積雪が多いらしいので、古さではドームふじが最古になるかと思われていたけど、どうやら深さ2800m超のドームCの方が古かったらしい。どうやら地熱の影響で、期待通りの100万年前の氷とはいかなかったようだ。まぁとりあえずMさん他の方々、残り数十m頑張って掘って下さい。今日は本部総会があったせいか、南極関連のニュースがずいぶん流れている。来年の49次隊の隊長に伊村さん、副隊長に牛尾さんが決まったそうだ。さらに、南極上空のVIPフライトの情報もオープンになったようだ。
今年の48次隊が持っていく観測機器関連で困った事態発生。何故今頃になってという感じ。間に合ってくれるといいんだが。
2006年11月12日 日曜日
森博嗣のカクレカラクリ読了。非常に面白かった。ひょっとしてシリーズものにするんだろうか。
2006年11月9日 木曜日
宙空セミナーで発表。気象学会での反省も踏まえ、どうにかしてわかりやすくしようということで、いろいろと模式図を加えてみたりしたが、うーん、どこまでわかりやすくなったのか。いろいろと質問もしていただいて、有意義なセミナーでした。
2006年11月7日 火曜日
李成柱の国家を騙した科学者読了。ES細胞の論文捏造をした黄禹錫教授の話。まぁこれを教訓として、ということにはなるんだろうが...。韓国と日本には共通する部分が多いとは思うが、こういうのを読むと日本の方がまだマシかなぁと感じる。稀に韓国の研究者と話をすると、日本には徴兵制が無くて本当に良かったと思うし。
2006年11月5日 日曜日
7年ぶりにSGEPSSで発表。夜は初めてMTI研究会に参加。意外な人物に会ったりしてなかなか面白かった。帰りの電車の中にポスターの筒を忘れた...
NICTのKさんのM系列符号を用いたウインドプロファイラの話が非常に面白かった。将来的にはバイスタティックにして送信用アンテナはデューティ100%で送信し続け、脇にはアダプティブアンテナを置いてクラッター除去も行えるようにしたいそうな。PANSYには根本的に消費電力の縛りがあるのでメリットが薄まるけど、MUとかでこういうこと出来ないのかなぁと思って聞いていた。
2006年11月4日 土曜日
有栖川有栖の乱鴉の島読了。有栖川有栖の長編は久しぶり。おぉなるほど、と思わせる場面も多かったけど、それはちょっとという場面も多かった。
2006年11月1日 水曜日
学会から帰ってみたらRAIDが落ちていてびびったが、電源モジュールを交換してどうにか復旧。ようやくSGEPSS用の追加の解析を始められた。明後日にはポスターを完成させないといけないが。
森博嗣の少し変わった子あります読了。作品うんぬんよりも、こういう文章を書く発想がどうして出てくるのか気になってしまう。
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