2004年9月30日 木曜日
もう1ヶ月が経過したというのに未だに日本から送ってもらったPCが届かない。仕方ないのでカナダでの運送を担当しているPurolatorに問い合わせたところ、税関を通関するまではこちらの責任範囲外なので税関に問い合わせてくださいという返事。Webで調べて税関に対する問い合わせを受け付けているtoll
free numberにかけたところ、こちらでは荷物の追跡を出来ないのでshipping companyに問い合わせてくださいという返事。Purolatorに問い合わせたら税関に問い合わせるように言われたんだけど、と食い下がってはみたがうんともすんとも言わない。仕方ないのでバンクーバーの税関に直接電話してみますと言って電話を切ったが、対応の悪さにちょっと驚き。そしてバンクーバーの税関に電話してみたが、前述のtoll
free numberにかけなさいと言われて門前払い。一体どうすりゃいいんだ。まさしくたらい回し。Webでいろいろ調べてみたところ、どうやら今年に入ってから類似のケースが頻発しているらしい。対応策を探してみたけど待つしかないらしい。まさか俺が日本に帰国した後に届くなんて間抜けなことにならないだろうなぁ。盗難に続いてカナダのよろしくないところを見せられた感じ。
2004年9月28日 火曜日
今日のJournal ClubはPaulがTTLの概念を初めて提唱したFolkins et al. [JGR, 1999]を紹介。主にdO3/dΘeの式のところでS先生やMaFarlaneさんが問題点を指摘していた。まぁでもこの論文の先駆性、重要性については皆さん異論無いみたいだったけど。
重力波のレビュー論文 Fritts and Alexander [Rev. of Geophys., 2003]を読む。かなり前にコピーはしてたんだけど、やっとという感じで必要そうなところを拾い読み。Momentum flux、群速度、EP fluxの関係のところで大きな勘違いをしていたことが判明。ロスビー波では定義(Fy=Cgy・A=-ρu'v')から群速度とEP fluxが同じ向きでmomentum fluxが逆向きになるので、なんとなく重力波でも同じだと思い込んでいたけど、ちょっと考えてみたら違っていた。ロスビー波の場合、A=ρq'2/2qyという関係からもわかるようにAが常に正だけど、東進重力波の場合はこれが負になる。したがって、3者の関係も逆になる。あぁ気付いてよかった。他にも今まで見落としていた疑問なども出てきてなかなか面白かった。論文自体は、特にスペクトル関係のところで式の導出を全く示していないのでこの論文だけで重力波のことを全て勉強しようというのは無理だった。それでも重力波研究の最先端が何をしているのかがある程度把握できて面白かったけど。
2004年9月25日 土曜日
渋井陽子がベルリンマラソンで2時間19分41秒の日本新で優勝。なんか突然の復活という感じ。来年の世界選手権の3番目の選考レースとなる名古屋国際女子マラソンで高橋尚子と直接対決とか言ってるけどどうなるかな。世界選手権の代表は5人だったはずだけど、野口、高橋、土佐、坂本、渋井、千葉のうちの少なくとも1人は洩れるわけか。なんとまぁ豪華というか勿体無いというか。
2004年9月23日 木曜日
今日のGroup MeetingはThomasによる山岳波関連の話。前半は山岳波に伴うPSC生成の話でSさんの論文をなぞっているかのよう。後半はMM5を用いたスカンジナビア付近の山岳波の再現の話で、Yさんの論文を読んで得た知識が役立った。内容的に非常にfamiliarな話だったので大体ついていけたのはよかったが、新しさという点では今ひとつ。まぁこれはThomasの研究というよりもThomasの元指導教官の研究らしいけど。
特別コロキウムでフランスから来ているLien Huaさんの話を聞きに行く。前半はtracer
gradientの時間発展の式に関する話で、velocity gradient tensorやstrain rateといったそれなりに馴染みのある話だった。後半は、tracer
gradientに関する式がモデルのforecast errorにも当てはまるということで、tracerで考えたときにLyapnov
exponent(あるいはstrain rate)が大きいところでforecast errorも指数関数的に大きくなるというようなことを言っていた。非常に面白かったんだけど、forecast
errorに対してtracer gradientと同じ式が何故当てはまるのかという肝心の部分が理解できなかった。
2004年9月22日 水曜日
この3日間でどういうわけがフライパン(の取っ手)が2つも壊れた。しょせん中華街で買った安物か……。あと3ヶ月くらい持ちこたえてくれればいいのに。
2004年9月21日 火曜日
Shepherd et al. [JGR, 2000]を読む。成層圏ではCharney-Drazin mechanismによって波数4以上のロスビー波が伝わってこないのと重力波の活動がそれほど活発ではないことから、物質の移流が大規模流に支配されるchaotic
advection regimeになっているのに対して、中間圏ではプラネタリ波の活動が弱くなって重力波の活動が活発になるために小規模擾乱による移流効果が卓越するそうだ。Chaotic
advectionの定義や、Lagrangian correlation timeの説明など非常に勉強になった。
今日はS先生宅でパーティ。飲み物を何か持ってくるようにいうことだったので日本酒を持っていったけど、あまり評判は良くなかった。まぁ持っていった本人が飲まないんだからしょうがないけど。Daveさんと話をしているときに、対流圏界面におけるcyclonic
anomalyとanticyclonic anomalyの非対称性の話になって、Holton先生の教科書にある遠心力を用いた説明でいいんじゃないのと言ったら、それは違うんだということを説明してくれた。要するに、準地衡系でロスビー数の0次の項だけ考えたら対称だけど、1次の項に出てくる鉛直流による渦位移流の効果を加味するとcyclonic
anomalyの方が深くて強いということを説明できるそうだ。それでは遠心力に基づく説明は間違いなのかという質問に対する説明はよく理解できんかった。いわゆるnatural
coordinateで出てくる遠心力の項はprimitive equationsのmetric termに相当すると思えばいいのかな。だとしたら、準地衡系で考えるだけじゃ不十分ということになる気がするけど、うーん。あとはMattたちと話をしているときの極を中心とするf平面を考えたらmetric
termをどうしたらいいかとかいう話が面白かった。
未だにPCが届かない。もう3週間も税関で足止めを喰らっている。さすがに我慢の限界に達しつつある。どうにかしてくれ。
2004年9月18日 土曜日
今日はトロント国際映画祭の最終日。北米最大の映画祭だそうだ。MarkからVITALという日本映画のチケットを買ったので、Manulife
Centre内にあるVarsity theatreまで見に行った。内容をチェックせずに浅野忠信主演になってるから外れということは無いだろうという安直な理由で選んだんだが……しんどかった。写真をちらっと見たときに監察医が活躍するのかなと思ったんだが、実際には医学部の人体解剖の授業の場面がたくさん。作品としての質はそれなりに高かった気はするんだが、ああいうグロテスクなのは全くダメ。もう一つ思ったのが、英語の字幕がやたらと不親切だったこと。日本語を聞きつつ字幕を見ていたけど、あれじゃ言ってることが伝わらんだろうというシーンが結構あった。そのせいかどうかは知らんが、終わったときの拍手もまばらだった。
2004年9月17日 金曜日
今日のBrewer seminarはDylanによるCO分布の再現に関する話。CTMで24hと48hのforecastをして得られたCO分布と衛星観測との結果を比較して、CO分布の初期値依存性みたいなものを調べていた。下層でローカルなエラーだったものが上層では広がっているとか。でもいまいち意義みたいなものがよくわからんかったけど。
2004年9月16日 木曜日
Group Lunchでベトナム料理のお店へ。あのお米で作った麺というやつは、おいしくないわけではないんだけどどうにも違和感がある。まぁ許容範囲内だけど。
2004年9月9日 木曜日
今日のGroup MeetingはLisaがWHOIのサマースクールでやったIGWのresonant triadの話。コリオリ力が入ると、共鳴の起こる領域がω0/2≦fの緯度に限られるそうだ。ロスビー波のresonant triadの話は聞いたことがあるけど、重力波でも同じことが言えるんだなぁと感心。でもよくわからんかったが。
2004年9月8日 水曜日
サッカーW杯アジア地区一次予選インド対日本は4対0で日本が勝利。しかし、得失点差ではまだオマーンに分があるので次のオマーン戦で引き分け以上が必要な状況に変わりなし。
2004年9月7日 火曜日
昨日のlabour dayで夏が終わり、今日から本格的に新年度。しかし新しいPCはまだ到着せず。ぼちぼち届いていいはずなんだが。
今日のAtmospheric Physics SeminarはロシアのPaldorさんという方の、AVHRRで観測されたロスビー波の位相速度がβ平面のQGを用いた予測よりも倍以上速いのは何故か、という話。どうやらthermoclineにおける内部ロスビー波を観測しているらしく、変形半径がかなり小さい(あるいはバーガー数が小さい)ために、擾乱の南北スケールが変形半径よりもかなり大きくなってしまってβ平面近似が良い近似でなくなってしまうのが原因らしい。運動方程式を絶対角運動量で書いてmetric
termを陽に表現した方程式を固有値問題として解くことで、観測と整合的な位相速度を導いていた。最後にSturm-Liouville問題の見地からの解釈という話をしてたけど、その部分は全くついていけず。
野茂が5ヶ月ぶりの4勝目、10連敗でようやくストップ。このままプレーオフでも先発として使ってもらえそうな感じ。
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