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2011年10月24日 月曜日
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《Diary 2003年12月》

2003年12月31日 水曜日

森博嗣の迷宮百年の睡魔読了。百年シリーズ(でいいのか?)の2作目。お話はまぁまぁ面白いというくらいなんだけど、科学的な話の部分がとても面白かった。睡眠時間の全てを冷凍睡眠にしたら人間の寿命は延びるんだろうか?人が生きているというのはどういう状態だろうか?などなど。

昨年に引き続いて年末になって体調崩してる。やるべきことはいろいろあるのに停滞中。今年一年はそれなりに動きのある一年で、研究という観点からはそれなりに収穫のあった年だった気がする。来年はそれを目に見える形にしていきたいがどうなることやら。


2003年12月27日 土曜日

西沢保彦の笑う怪獣読了。西沢保彦がときどき書くバカ話。

先日メガネのフレームを矯正してもらって以来、焦点が合わず、頭痛を引き起こすような状態が続いていたので、メガネ屋に行ってもう一度矯正してもらう。これで頭痛が治ればいいんだが。

全日本フィギュア女子で安藤が初優勝。村主、荒川、恩田を抑えての優勝にはとても価値がある。これを機に世代交代が進むか。


2003年12月26日 金曜日

東野圭吾のおれは非情勤読了。非常に軽い短編集。特にコメントするほどのことはなし。

今日で仕事納め。週明けに来るかもしれんが。


2003年12月25日 木曜日

西沢保彦の黒の貴婦人読了。タック&タカチシリーズの短編集。相変わらず人物は魅力的なんだけど、個々の謎解きは胃酸過多といった感じ。


2003年12月24日 水曜日

市役所に行って転出届提出、国保解約、国民年金を任意加入に変更。住民税はその年の1月1日に居住していた市町村で課せられるので、来年度の住民税はこれで払わないで済む。国保も一部戻ってきた。日本滞在中に医者の世話になったりするとちょっと困ったことになるけど。


2003年12月23日 火曜日

森博嗣の四季 夏読了。真賀田四季の心理描写が相変わらずお見事。

今日はせっせと買物。それにしても暑い。冬ってこんなに暑いんだっけ?トロントが特別寒いとは思ってなかったけど、さすがにこれに比べたらずいぶん寒いな。

トロントにいたときにいくつかあったアカギレが日本に帰って2日でほとんどくっついた。静電気もまったく感じない。やっぱりトロントはかなり乾燥してたんだなぁ。


2003年12月22日 月曜日

今日から早速極地研出勤。午前中のコロキを聞いた後は、書類を書いて、土産を届けて、郵便物を整理して、データを作り直したら1日が終わってしまった。超高層に顔を出したらPANSYの研究小集会で喋ることになってしまった。やぶ蛇だったな。まぁなんとかなるか。時差ぼけのせいか、やたらと眠くて考えなくてもできる作業しかやらなかった。

しらせ「後継船」の予算復活。新しいヘリの予算も認められ、どうやら5年後くらいには後継船が就航しそう。よかったよかった。


2003年12月21日 日曜日

トロントのアパートから日本の自宅まで26時間がかりで帰省。無茶苦茶しんどい。よくよく考えてみたら帰省するのは生まれて初めてだ。


2003年12月20日 土曜日

朝日新聞にしらせ後継船ゼロ査定の記事。耐用年数が切れても運行している船もある、という財務省の弁はさすがにおかしい。賞味期限が切れている商品でも健康被害が出なければ売っていい、と言ってるのと同じじゃないか。これで果たしてPANSYにまで予算がつくんだろうかと心配になるな。

ただいま朝5時前。これから丸一日かけて一時帰国します。ジェット気流に逆らうおかげで遠い遠い。

ピアソン国際空港で空き時間を利用してJASのsubmission instructionを読んでいたら、投稿時に添付するCopyright Transfer Formはfax or photocopyはダメと書いてある。昭和基地から現物を送ってもらう手段は無いので、南極のS先生が帰国されるまでは投稿できないということか?トロントに戻ったらS先生に確認せねば。


2003年12月19日 金曜日

どういうわけか自宅のPCのLinux側からネットワークにつなげなくなってしまった。Win側からはつながるのに何故?今はいいけど、戻ってきたときにこのままだとかなり不便。

S先生に論文の第二稿を渡し、南極のS先生にも送って一段落。これで帰国前にやるべきことは終わり。ただ、やはりフォントが小さいと言われてしまったので、文字を大きくするために試行錯誤。一応12ptを指定してはいるんだけどなぁ。かといってLaTeXに13ptなんてものは存在しないし、14ptは明らかに大きすぎ。仕方ないのでdvipdfmの段階で拡大するようにはしてはみたが、もう少しスマートな方法はないもんかね。

奇妙な論文を読んだ。zonal wavenumber 0の波って何?単なる平均流のことではないのか?それともzonally uniformで時間方向だけ波型ということだろうか。謎だ。

Hervig et al. [GRL, 2003]を読む。極域の中間圏界面より少し下の高度83kmでの水蒸気の季節変動の原因についてHALOEのデータを用いて調べたもの。水蒸気が夏に増加するのは、上昇流によって下方から水蒸気を多く含む気塊が運ばれてくる効果と、中間圏界面付近で形成されたPMCが重力落下してきて高温のために蒸発する効果で説明できるそうだ。論理展開が非常に明快で、この研究で何がわかって何が不明なままなのか、それを踏まえて今後どうするべきなのかが非常に分かりやすく書かれている。こんな論文が書きたいなぁ。

Whiteway et al. [GRL, 2003]を読む。トロントに来てから既に2回ほど聞いたEgrettを用いた重力波観測の話。こちらも話の流れが明快で何が言いたいのかはよくわかるんだが、疑問点も有り。Egrettのデータは確かに山岳波の砕波を明確に示していると思うんだけど、MSTレーダーで同時に観測した鉛直風データは、時間方向に見事に振動しており、位相が固定されているはずの山岳波とは矛盾するんじゃなかろうか。仮にこの時間変動が波の成長・減衰を表しているのであれば、わずか1時間しか波が存在しなかったということになるけど、そんなことは全く触れられていない。また、山岳波のパラメータ推定の際に、唐突に東向き伝播が仮定されているけど、素直にホドグラフ解析をすれば済む話なのではなかろうか、と思ってしまう。まぁでも、砕波条件を満たす高度レベルで見事に乱流が発生し、同時に小さなスケールの波動が発生している様子など、非常に興味深い観測結果でした。


2003年12月18日 木曜日

S先生のコメントに基づく論文の修正が終了。懸案だった3次元のQGへの拡張も、あれこれ式をいじくり回していたら、あぁそういうことかぁという感じで納得できたので良かった。南極のS先生からのコメントはまだ来ていないので、新しいバージョンを送ってそれにコメントしてもらうかな。入れ違いにならなければいいが。

DmitryさんやEufrasioさんの質問にせっせと答える。こういうときじゃないと自分からあまり英語を喋ったりしないので、質問は大歓迎。正しいことを言っているかどうかは全く保証できないが。

PANSYが建設されることを想定して、極域下部成層圏に関する先行研究をしたいなぁと思う今日この頃。keywordは水蒸気・オゾン・トラジェクトリ解析・MLM・age spectrum・PDF・sub vortexといったところか。ERA40もあることだし、うまくやれば結構面白いことになると思うので、ちょっとまじめに考えてみようかな。


2003年12月17日 水曜日

今日はESL最終日。お菓子を持ち寄ってパーティ形式にしてさらにプレゼント交換。なんだかなぁと思わないでもないけど、まぁたまにはこういうのもいいか。クラスの後に近くのパブに飲みに行った。そのときに、同い年の日本人の人と韓国のおばさんと話していたら、戦争責任の話になってしまった。某都知事の名前を出したらおばさんが露骨に嫌な顔をしたので、どうやら韓国でも有名な話のようだ。俺ともう一人の日本人の人の意見が大幅に食い違って、こういうもんなのかなぁとちょっと不思議な感じ、というか無茶苦茶年寄りになった感じだった。結局4時間近く飲んで帰ってきた。

今日はデータの問題確認や必要な論文のプリントアウトなど細々したことばかりやってたな。論文の修正もちょっと進展。考えていて楽しいと思えるのは非常に嬉しい。Dmitryさんには昨日の発表良かったよ、と言ってもらったので少しは自信になった。帰国までにもう少し論文の修正を進めたい。

先日レビューした論文はどうやらリジェクトされたようだ。Editorからのメールを読んだ限りでは、俺以外のレビューワーはもっと厳しいコメントをしたらしい。まぁ仕方ないだろうな。俺がリジェクトのコメントにしなかったのも、単に使用しているデータがいいからもったいない、という理由だし、そもそもあの状態で投稿することに同意した共著者の方に問題があると思うし。近い将来、しっかりした形で再提出されるといいんだが。

ClarkがERA40の話を聞きに来た。彼はチベット付近のモンスーンの研究をしており、surface pressureの値を使ってモンスーンのインデックスを作りたいらしい。しかし、Mean sea level pressureやsurface temperatureはあってもsurface pressureのデータは発見できず。surface pressureなんてそんなに珍しいデータとも思えんのだが。


2003年12月16日 火曜日

GCC workshopでの発表終了。まぁIUGGの時に比べればましな英語になったかな。KirillとOrsoliniさんの質問にもなんとか答えられて一安心。今日の発表の中ではCharlesとTiffanyのGW parametarization関連の話が面白かったかな。これで帰国前にやるべきことは大体終了。明日からのんびり土産探しでもするか。

Nicholls [BAMS, 2000]を読む。相関やトレンドのsignificance testに帰無仮説(NHST)を使うのは止めましょうという論文。この問題に一番関連があるのは気候屋さんだろうけど、ちょうど水平分布の相関とか使っているところなのでなるほどという感じ。信頼区間を表示する方が良いそうだ。たしかに、帰無仮説はあくまで相関が有るか無いかを調べる手法であって、相関が強いか弱いかは判断できないんだよな。特に比べる2つの相関のサンプル数が違ったりすると訳わからなくなる。また、帰無仮説は母集団から適当に取り出したサンプルに対して適用されるべきものであって、トレンドを調べる際のように母集団そのものを取り扱う場合には無意味である、という部分はあぁなるほどと思ってしまった。


2003年12月15日 月曜日

今日・明日は11th GCC/MAM workshop。午前中はchemicalな話ばかりだったのでパスして午後から参加。午後はほとんどdata assimilationがらみの話だった。流行ってるのか?DmitryさんとKirillと話をしているときに、1D-varと4D-varの違いがわからないというようなことを言ってたら、univariableとmultivariableというものを1D-var,4D-varとどうやら混同していたことが判明。ネット上を探せばいろいろ資料があるとKirillが言っていたので、一段落ついたら勉強しようかな。

ESLに行った後に大学に戻ってプレゼン準備。10時近くになってようやくPowerPointと発表原稿完成。しかし練習するのが面倒くさくなってさっさと帰ってきた。さて練習はどうしようかな。まぁ明日の朝でもいいか。


2003年12月14日 日曜日

今年初めてのまともな積雪。5~10cmといったところか。テレビをつけるとイラクのフセイン元大統領拘束のニュースが駆け巡っている。これで少しは落ち着いてくれればいいんだが、朝日新聞の記事など読んでいると望み薄な気もする。

どうにも発表準備が進まない、というかやる気が起きない。やり始めてしまえばあと2時間くらいで終わると思うんだが。仕方ないので明日の朝やることにして今日は寝てしまおう。


2003年12月12日 金曜日

S先生から論文のコメントが戻ってきた。結構かかったなぁなんて思ったが、中身を見て納得。こんだけ直せばそりゃぁ1週間くらいかかるわ。1ページにつき20箇所ずつ修正されている感じ。まぁ9割以上が冠詞・助詞・接続詞の間違いと論文の体裁の間違いだから、直せるところからさっさと修正。内容に関する部分も、こちらの不適切な表現、説明不足がほとんどで、根本的に考えなければいけないのは1点だけ。浅水系のQGで議論していることをより一般的な三次元のQGで議論できないか、というもの。とりあえず参考論文を探してみるかな。しかし、そんなことばっかりやってるおかげで結局今日も発表準備をせず。さすがに切羽詰ってきた。


2003年12月11日 木曜日

今日のGroup MeetingはS先生によるSPARC Workshopの発表のアレンジ・バージョン。季節変動を考慮するとTEM vertical velocityが0でも気温分布は放射平衡にならない、という話が印象に残ったかな。今日はMcFarlaneさんやLucyも来ていた。

その後はChristmas LunchでFaculty Clubへ。ビュッフェスタイルの食事の後にS先生へのクリスマス・プレゼント贈呈。さらに、地下にあるFaculty Pubへ。毎年クリスマス・ランチはこんな感じだそうだ。クリスマス・ランチでのワインとパブでのスコッチのおかげで無茶苦茶眠くなり、4時頃には退散。

Workshopでの発表準備をせねばと思いつつ、今日も結局何もせず。まぁ発表内容はほぼ固まってるから問題は無いと思うんだが、直前にならないと動かないこの性格はどうにかせんとな。


2003年12月10日 水曜日

サッカー東アジア選手権で日本は韓国と引き分けて2位。大久保がわずか20分で退場になって、その後をよくしのいでスコアレスドローという内容。大久保はセレッソでも警告・退場の多さでチェアマンから注意を受けたりしているのに、全く学習していない。これなら、90分間ピッチにいるだけ柳沢の方がよほどまし。もう少しマシなフォワードはいないのか。本番は高原・久保という組み合わせになるのかな。なんとなくタイプがかぶる気がしないでもないが。

今日はOHIP(オンタリオ州の健康保険)に申し込むために、Sheppard×Yongeの近くにあるOHIP officeへ片道50分かけて行く。オンタリオ州に来てから3ヶ月以上が経過していて、就労ビザを持っていて1年の半分以上をオンタリオで暮らす人が申請可能。一切費用がかからないところが日本の国保と大違い。歯科に適用されないのがちょっと残念だが。入り口で番号札をもらった時点で約20人待ちで、途中システムのクラッシュなどもあって結局50分待って窓口へ。移民資格を証明する書類(俺の場合はwork permit)、現住所の証明書(運転免許でOK)、サイン入りのID(SINカードでOK)と申請書を提出し、その場で写真を撮って仮のカードが発行された。正式なカードは1ヵ月後に届くそうだ。これで、こちらでの身分を保証するための手続きは全部終了かな。

帰りにBloor×Yongeでご飯を食べたついでに、月曜日に倒壊したUptown Theatreを見に行った。既に工事用の壁で囲まれていて、警官も多く立ってたからあまり近づかなかったけど、倒壊の様子は大体わかった。よくよく考えてみたら、先日ご飯を食べたJapan Deliのほとんど隣だった。あのときに解体工事をしていたかどうかは記憶に無いが。

大学からまたメールサーバにアクセスできなかった。アパートからは問題なくアクセスできるのに何故?

Thuburn and Craig [JAS, 1997]を読む。対流圏界面高度がどうやって決まるのかについて、理論とGCMの結果の整合性を調べたもの。Held [JAS, 1982]と合わせて読んでみた感じでは、surface temperature, lapse rate, optical depth等に依存するradiative constraintによってtropopause heightが決まり、lapse rateはbaroclinic adjustmentなどのdynamical constraintによって決まる。ただ、radiative constraintは水蒸気分布に強く依存するので、対流圏内の水蒸気分布が圏界面高度にかなり影響しているようだ。また、baroclinic adjustmentに関しては、GCMのlapse rateが予測ほど変化しないことから、lapse rateを維持するなんらかのメカニズムがあるのかもしれないと言っている。lapse rateについてはPVの一様化から導出されたりもしてるけど、決着はまだ先かな?傾圧不安定の理論に疎いのでどうにも理解しきれないのが残念。

今日のESLではポスター発表ということで、大気の鉛直構造に関して発表した。前回のフリートークでは野球の五輪予選をネタにしゃべったんだが途中でわけわからなくなってしまったので、今回はあまりにも馴染み深いネタで喋った。同じ発表を5回もしたのでさすがに最後にはぺらぺら喋っていた。


2003年12月9日 火曜日

村田兆治がマスターズリーグで140kmを記録。54歳のおじさん、まだまだ頑張ってます。どう見たって理に適っているとは思えないあのマサカリ投法で、しかもこの年齢で、本当にまぁ頭が下がる。しかし、その球を結構打つ人がいるわけだから、引退後のプロ野球選手というのも捨てたもんじゃないな。

Stohl et al. [BAMS, 2003]を読む。"A NEW PERSPECTIVE OF STRATOSPHERE-TROPOSPHERE EXCHANGE"という強烈なタイトルに読まずにはいられなかった。概略すると、cross-tropopause mass fluxにはdeep exchangeとshallow exchangeがあるが、deep exchangeを正しく見積もる必要がある、というもの。ところが、deep exchangeは全体の1-2%に過ぎず、ほとんどがshallow exchangeなので、真の意味でのSTEを誤評価している可能性が高いそうだ。ここでdeep exchangeというのはWCBやstreamerなどのirreversible process、shallow exchangeというのはtransientなreversible processのこと。手法的にはK先生の有名な論文や、環境研のSさんが使っている手法とほぼ同じ3次元のトラジェクトリに基づく手法だけど、なかなか面白かった。

Dmitryさんの奥さんはnew immigrant用の無料のESLコースを受けているそうだ。奥さんがいないときに暇なので自分もESLのコースを取ろうかなと言うので、俺が現在取っているコースについて教えてあげた。考えてみると言っていたが、今おれが取っているコースにはアジアの人しかいないんだよな。半数が日本人で、韓国・中国が20%ずつ、中東の人が1人だけという状況。ロシアの人が来たら結構面白いかも。


2003年12月8日 月曜日

今日のJournal ClubはS先生によるSanter et al. [Science, 2003]の紹介。対流圏界面高度の上昇トレンドの起源について調べたもの。大雑把に言うと、温室効果気体の増加に伴う対流圏気温の上昇とオゾン減少に伴う成層圏気温の下降の二重の効果で対流圏界面が上昇しているそうだ。前提として、全球平均の対流圏界面高度では力学起源の高度変動が相殺されるので放射の影響だけを考えればよい、というのがあるんだが、論文には書いてなかったし、S先生に言われるまで気づかなかった。もう一つ面白い結果として、5つのファクターを個別に変動させたシミュレーションの結果を単純に足し合わせると、全てのファクターを変動させたシミュレーションの結果とほぼ等しくなるということで、応答がほぼ線形だということ。これについてはまだまだ原因不明のようだ。個人的には非常に面白い論文だと思うんだが、S先生は結果の解釈の部分でかなり批判的だった。何はともあれ、これがDmitryさんの研究のmotivationになるそうだ。

Dmitryさんと上記論文について少し話をしたんだが、彼の英語がどうにも聞き取れない。慣れるまで大変そうだ。夜はDmitryさんの歓迎飲み会だったんだが、今日はESLのクラスがあるので欠席。そういえばKirillの誕生日パーティも欠席したなぁ。どうして月曜日にやるんだ!

韓国の南極観測隊が遭難し、1人死亡という惨事。航空機の発着可能な近くのチリの基地までゴムボートで行く途中のことだったらしい。現在行方不明の3人は無事だといいんだが。昭和基地でも充分起こりうる事故だ。3人は無事救助されたようだ。

今朝、Bloor×Yongeにある古い映画館が倒壊したらしい。ESLの他の生徒さんから聞いて初めて知った。家に帰ってテレビをつけるとたしかにこのニュースがトップに来てる。


2003年12月7日 日曜日

アテネ五輪男子マラソン代表選考レース第一弾となる福岡国際マラソンは、国近が2時間7分52秒で制し、諏訪が2位、大本命だった高岡が3位という番狂わせ。国近なんて期待を裏切りすぎてもはや誰も期待していないランナーだと思っていたのにまさかこんな結果になるとは。記録的に見ても、キプソスなどの強力な外国勢に勝ったという内容から考えても国近の代表入りはほぼ当確。高岡はびわ湖あたりに強行出場することになるかな。

肌がかさかさしてちょっとアカギレしてる。寒くて乾燥してるからか?クリームでも買ってこようかな。

松井稼頭央のメッツ入りが決定。あの大リーグ屈指の貧打線の中で何番を打ち、どれだけの成績を残すのか。日本では確実に30本打つ力がついたけど、メジャーでは果たしてどんなものか。日本での成績から単純に考えると、打率3割前後、本塁打20本前後、盗塁は怪我次第だけど30くらいはできるかな。何はともあれ、遊撃手という花形ポジションで、活躍してジーターなどと比較されるくらいになってくれると非常に嬉しい。


2003年12月6日 土曜日

ぼちぼちCMAMのデータを使おうと思って使いやすい形に整備。必要な物理量を計算しているときに妙なエラーが出る。何かと思ったら、内部ファイルへの受け渡しのところでエラーが出ていた。しかも、Do文で回していて1回目はうまくいくのに2回目に失敗するという感じでまったく原因不明。最近、大学で使っているVineの使い勝手の悪さに困っていたが、これは本当に困る。日本に帰ったときにRedhatに乗り換えようかと真剣に考え中。


2003年12月5日 金曜日

新しいルームメートはロシアから来たDmitryさん。一緒に昼飯を食べに行ったときに話をしたところ、対流圏界面の経年変動の話をモデルを使って調べるらしい。滞在予定がいつまでなのかよくわからなかったけどまぁいいや。

論文の校正が終了したのでS先生に渡し、昭和基地のS先生にもメールで送付。色よい返事が返ってくれば年内に投稿できたりしないかな、と密かに思ってるけどはてさてどうなることか。これで来週はGCC Workshopの準備に専念できる。

現在火星に接近中ののぞみがどうやら火星の周回軌道に入れないらしい。ADEOSⅡ、H2Aに続いてよりによってこの時期に。JAXAは本当に大丈夫かいな?


2003年12月4日 木曜日

今日のGroup MeetingはMattによる赤道域のbalanced flowの話。相関を使って求めた赤道域の南北スケールの鉛直分布と赤道変形半径の関係がどうなっているか聞いてみたところ、対応していて欲しいけど見積もった南北スケールのばらつきが大きくてはっきりしない、というのが正直なところのようだ。UKMOと航空機観測の比較、UKMOとCMAMの比較などもしていたが、もう少し目玉が欲しいところかな。

どうやらEufrasioさんが別の部屋に移って新しい人がうちの部屋に来るらしい。Eufrasioさんは非常に話しやすい人だったのでちょっと残念。まぁ新しい人もtemporaryらしいけど。

論文書き終了~~~。我ながらこの1週間は本当によく頑張った。おかげで当初予定よりもずいぶん早く書き上げることが出来た。もちろん、本当の意味での当初予定は今年の春投稿だったんだが。これで明日はひたすら校正作業。さて頑張ろうかな。

最近の悩み、静電気。日本ではここ数年ほとんど体験してなかったけど、やはりこちらは気温が低く湿度も低いからなのか、結構ばちばちくる。今もドアノブに触ったら見事に火花が見えた。静電気防止商品でも探してみるかな。


2003年12月2日 火曜日

朝起きたら1cmの積雪。外に出ると気温-8度。たしかに寒いけど、風が弱かったのでそれほどでもなかった。

1日がかりで論文レビュー終了。本当に朝から晩までかかった。読めば読むほどリジェクトしたくなるような論文で正直困ったけど、理解不能な点と修正すべき点をとにかく列挙してMajor Revisionということでコメント送付。Special Issueは論文の質が下がると言うけど本当にその通りだと思った。それにしても、共著に入っている大御所さんたちは絶対この論文読んでないんだろうな。


2003年12月1日 月曜日

小宮山が1年の浪人生活を経てロッテに復帰。かつては和製マダックス(は正直言いすぎだと思うが)とまで言われたコントロールの良さを再び示して欲しい。来年のロッテはバレンタイン監督の下に小宮山・アグバヤニと韓国の本塁打王・李も加わりそうで、ここに黒木・小野あたりが復帰してきたらなかなか面白いチームになりそうだ。

今日のAtmospheric Physics SeminarはYork Univ.のMarchandさんによる、CTMで極夜域下部成層圏のNO2がほとんど0になってしまうのは何故か、という話題。とりあえず、モデルでは太陽が無いとNO2の生成反応が存在しないらしいので、ゼロになってしまうのは至極当たり前のことのようだ。しかし、現実には数十ppbvのNO2があり、この差の原因として、生成反応が実はあるか、消滅反応の反応係数が大きすぎるのか、などの可能性を調べているらしい。結局、昼側の反応に問題があるのではという結論になっていたように思うけど、ちょっと納得しにくい話だった。話を誤解している可能性も捨てきれんが。

今日から12月、と思ったら朝から早速吹雪。吹雪いた5分後には晴れ間が見え、その10分後にはまた吹雪いているという感じで非常に変わりやすい天気。明日は最高気温-5度らしいので今から戦々恐々。

今日のESLのレッスンの後にAnaと1対1トーク。Thanks Giving Dayで予定より減ってしまった授業回数を補うため、全員が20分ずつ1対1で話をする。俺が言われたのは、話す際のテンポが一定すぎる(equal beatと言うらしい)のと個々の単語をはっきり発音しすぎるということだった。まだまだ修行が必要だ。

論文の中でOrr mechanismに触れるんだが、昨年Dunkertonさんに指摘されるまで全く知らなかったという話をS先生にしたら、Shepherd [JAS, 1985]という論文を教えてくれた。これがS先生の最初の論文らしい。早速読んでみたが、非常に面白かった。Orrが示した基本的な事柄の説明もわかりやすかったし、波のaspect ratioと増幅率の関係が非常にクリアで面白かった。頭の良すぎる人の論文はえてして難解な場合があるけど(Heldさんの論文は特にそう思う)、この論文は本当にわかりやすい。しかし、この結果から類推すると、short-wave limitに相当する俺が解析している波ではOrr mechanismはあまり効かないということになるのかな。論文の中で論じられるようによく考えよう。


 
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