南極観測隊便り 2018 - 2019

第60次南極地域観測隊 内陸調査隊の活動をお伝えしていきます。
12345
2018/12/17new

さらに内陸へ、そして調査地へ Ⅲ

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
12/9一杯までドームふじでレーダ用のアンテナ設置の時間をとったあと、12/10は早朝出発で調査地のベースキャンプへ向かいました。この地点は、ドームふじの南方約50km地点となります。昭和基地からは、約1,100kmの内陸になります。昼頃までにかけて移動したあと、ただちにベースキャンプでの作業にとりかかりました。

滞在中に浅層アイスコアと掘削孔の空気採集を掘削する場所の選定、氷床探査用レーダアンテナの組み立て継続や、一部の氷床探査レーダの試運転、キャンプ配置の整理など。テントを多数張り、各種作業や、宿泊場所にも用います。1月初旬まで、ここをベースに様々な観測作業を展開していきます。具体的なことは順次投稿しご紹介していきます。


写真説明;ベースキャンプの風景。左から、宿泊用テント4張、食堂に使用している車両と浅層アイスコア掘削場。作業テント。他の橇や車両が居る側から撮影しています。

藤田記
09:46 | 投票する | 投票数(4) | 日々のできごと
2018/12/14new

さらに内陸へ、そして調査地へ Ⅱ

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
ドームふじ基地には、12/7昼頃に到着し、12/9まで滞在しました。
今回の調査目的地は、この基地よりもさらに南方内陸域になります。基地は、途中通過地点のひとつです。
ドームふじ基地到着直後から、この基地で実施が必要とされている観測をおこないました。
降雪堆積量を計測するための雪尺測定、無人磁力計の保守、無人気象観測装置の保守など。
設営チームは、燃料のデポや橇に搭載している物資の整理をおこないました。

12/8は、基地内見学や休養。調査地に到着したら早期に実施しなければならない氷床レーダ観測については、アンテナの付け替え作業をここで休養返上で開始しました。
この仕事を12/8のうちに終わらせて、12/9にはすでに調査地(ベースキャンプ)に向かうべく用意を開始したのですが、思ったような早さで仕事をすすめることができず、結局12/9の午後までかかってしまいました。
車載アンテナの付け替えをひとたびはじめたら、完成するまで動くことはできなかったので、ここで予定よりも一日余計に時間をかけることとなりました。
-30℃、600ヘクトパスカルの環境で、大急ぎですすめた仕事でした。
担当者ら(藤田、津滝、Brice)の消耗度も大きい状況となりました。
写真にあるような巨大なシステムで、クレーンの力を借りて設置することとなりました。


写真1:組み上げた氷床観測用レーダのアンテナ。非常に高いアンテナ性能をもっています。

苦労の甲斐があって、できあがったのは巨大なアンテナシステムです。
本稿執筆現在、まだ設置作業は完了していませんが、氷床の大深部を明瞭に観測できると確信しています。

休養日課日12/8の午後には、基地看板の前で記念写真を撮影しました。いよいよ目的とする調査地であるドームふじ南方域へはいっていきます。


ドームふじ基地看板前で記念写真。(撮影:内陸ドーム隊)

藤田記
11:50 | 投票する | 投票数(7) | 日々のできごと
2018/12/14new

6割の力で...

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
ドームふじ付近の気圧は、約600ヘクトパスカル。平地の約6割です。
空気が薄いので簡単な作業で簡単に息がきれます。
チームで様々な作業をすると、どうしても急いてしまうときがあります。
急ぎ足などすると簡単に転んでしまう。
そんなとき、今年のチームでは「6割の力で!」とか、「2割の力で!」とか、リラックスを促すかけ声が仲間からでます。無線通信で。
穏やかに、無理をせず、ケガや疲労を防ぎ着実に仕事をこなしていく、いいかけ声だとおもっています。

藤田記
09:02 | 投票する | 投票数(7) | 小話
2018/12/13new

さらに内陸へ、そして調査地へ

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
本ブログの日記的側面の記述は、11/29(中継点到着)以降おろそかになっていました。
この内陸ドーム隊ブログの特徴、そして明らかに大きな弱点!は、隊員が忙しく活動がピークになってくると更新・投稿する余力がなくなってしまうのです。内陸隊は早朝から活動を開始し、一日中移動、移動は17時頃までに終えても、そのあとも様々なメンテナンスや整理があります。当初から目的とする観測成功が大目的ですので、アウトリーチとのバランスの確保は結構難しいです。ブリザード停滞のときなど、たくさん書けるときもありますが、日々の活動が多いと手足が全然でないときもあります。本文も、12/12夜に、日中の大作業のあとに現地時間深夜に書いています。

11月末以降の動きを超ダイジェストとして述べます。中継拠点を出て、ドームふじへ向かいました。11/30に中継拠点(MD364)での観測活動。その後、最大一日約70kmの移動を繰り返し、休養日課もいれながら、12/7にドームふじ基地に到着しています。中継拠点を過ぎてからは、サスツルギが減少し、雪がとても柔らかい領域、いわゆる「軟雪帯」にはいりました。日々の活動は、延々と雪の砂漠(年間降水量約25-100mm程度)を内陸に向かって前進することです。撮影した写真をみても、下記のような雪の大平原が大多数になります。



ピステン車が走り、そのあとをリーマン橇と呼ぶ大型の橇を引くと、写真のようなトレースになります。「軟雪帯」は雪が柔らかすぎて、車両と橇が通過すると深い雪のわだちができることで古くから知られているのですが、走行する車両や橇の組みあわせ次第では、走行トレースが良好になります。後続の車両も走行しやすい状態となっています。

移動中の日々の観測は、私達が「5点セット」と呼んでいるものをルーチン的に実施しています。
・積雪量を求めるための「雪尺観測」 (2km毎、担当津滝)
・雪の化学成分分析のための積雪サンプリング (10km毎、担当は栗田と山田)
・中性子線の観測 (担当は栗田)
・アイスレーダ観測 (担当は藤田)
・積雪の物理観測 (担当はJC)

今は、12月もなかばにはいり、観測活動はピーク期間にはいっています。
観測日程は押しています。不規則や短めになるかもしれませんが、活動状況やいろいろな出来事を投稿していきたいとおもいます。

藤田記
09:15 | 投票する | 投票数(7) | 日々のできごと
2018/12/10

水の話

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
60次機械担当の櫻井です。今日は内陸旅行中の生活について書きます。
内陸旅行を続ける上で重要な物の一つが水です。
内陸には水がないので、雪を溶かして水を作らなければなりません。
この作業を造水(ぞうすい)と言います。

内陸旅行では『風上・風下』という事を常に意識します。日本では風の向きは変わりますが、内陸旅行のルート上では風向きは常に同じです。造水の時も雪上車の排気ガス等からの汚染を避けるために、雪上車の『風上』の雪を使います。

造水の手順は、雪をポリバケツ等の容器に詰め、その雪を雪上車のヒーターの吹き出し口に設置した造水ボックスに入れておくと、数時間でヒーターの熱で雪が解けて、雪の体積の3分の1程度の水が出来ます。出来上がった水はヒーターで加熱されているので実際は50度近いお湯になっています。


(バケツに雪を詰める津滝隊員と115号車)



(水の素=雪)
標準的な車両で真面目に造水すれば1日あたり約80リットルの水を作る事が出来
ます。特に造水に熱心な車両ではおよそ160リットルの水を作っているそうです。


(造水に熱心な115号車)
こうして作った水で生活に必要な水のほぼ全てを賄います。水は作れますが、水の使い方も日本での生活とは一味違うのでまた別の機会に書きます。

櫻井記
09:57 | 投票する | 投票数(6) | 解説・説明
12345