ほぼ3日間続いた悪天傾向の後、11月20日の朝には晴れ間もの
ぞき視程も改善、天候はだいぶ回復していました。
午前中に、約20km移動し、み
ずほ基地に到着しました。
基地から約16kmの地点で、双眼鏡を使って、30メー
トル気象観測タワーを視認できていました。
午後からは当初から予定していた各種作業にとりかかりました。
基
地横に設置されている101本雪尺列の観測、インターバルカメラや無人気象観
測のメンテナンス。
設営系では、帰路に利用する燃料をここにデポ。また、雪上車
の整備をおこないました。
キャンプ地は、実際の基地からは約2km離れているIM1と呼ば
れる場所です。
夕食をとった後に、全員で基地を訪問しました。
11/20 夕刻の天気状況
風向90度、風速3.9m/s、気温-18.5℃、気圧740.
7hPa、天気:晴れ、雲量3、視程2km
写真1:みずほ基地の30メートル気象観測タワー。第20次越冬
隊が設置したものです。現在も安定感を保ってそびえています。
基地から16kmま
で近づいたところですでに視認できました。
写真2:基地中心部遠景。基地施設は建立間もなく雪に埋まったも
のです。
飛雪の多い地域に建築物があると、それをおおうように雪がつきます。
結果的に、基地はあたかも雪の丘のようになっています。
南極内陸では、高床式
の構造にしない限り、建築物は間もなく埋まる運命にあります。基地を建てなけ
れば、ここに雪の丘は存在しなかったはずです。
写真3:みずほ基地の看板。この看板も、雪に埋まることなく何十
年も安定感をもって立ち続けています。
木製看板の裏側には、かつてここを訪れ
た各観測隊員の記念記名が無数にあります。
現在は雪の下に埋まっている基地に
降りる入り口は、この看板の後方にあります。
写真4:赤白ポールの位置は、測量級GPSを用いて氷床流動観測
をする基準点です。
この基地は、年間に約20メートル以上の早さでしらせ氷河
方向に向かって流動しています。津滝隊員が三脚を立てて、GPSセンサーをここ
に設置する作業をおこなっているところです。2時間の測位観測をおこないまし
た。後方にみえるのは、101本雪尺列です。
写真5:上と同じ付近の写真です。101本雪尺を背景に、GPS
観測点。
二人の隊員(栗田、山田)は、昨年ここに設置したインターバルカメラのメ
ンテナンス作業をおこなっています。
写真6:インターバルカメラのメンテナンス。
1年間この地点の雪
面状況を繰り返し撮影の画像記録として観測したデータは成功理に回収されまし
た。
作業者は栗田と山田。
写真7:午後後半には、西の空の太陽の両側にハロー(眩日)が出
現しました。(撮影:津滝)
写真8:夕食後、全員で基地の場所を訪れ、基地の看板を囲んで記
念撮影をしました。
看板がやや東向きなので、西に太陽があったためやや逆光気
味。(撮影:内陸ドーム隊)
写真9:IM1でのキャンプ体制。翌日は好天が予報されており、
長めに移動することが計画されています。
藤田記