南極観測隊便り 2018 - 2019


2018/12/10

水の話

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
60次機械担当の櫻井です。今日は内陸旅行中の生活について書きます。
内陸旅行を続ける上で重要な物の一つが水です。
内陸には水がないので、雪を溶かして水を作らなければなりません。
この作業を造水(ぞうすい)と言います。

内陸旅行では『風上・風下』という事を常に意識します。日本では風の向きは変わりますが、内陸旅行のルート上では風向きは常に同じです。造水の時も雪上車の排気ガス等からの汚染を避けるために、雪上車の『風上』の雪を使います。

造水の手順は、雪をポリバケツ等の容器に詰め、その雪を雪上車のヒーターの吹き出し口に設置した造水ボックスに入れておくと、数時間でヒーターの熱で雪が解けて、雪の体積の3分の1程度の水が出来ます。出来上がった水はヒーターで加熱されているので実際は50度近いお湯になっています。


(バケツに雪を詰める津滝隊員と115号車)



(水の素=雪)
標準的な車両で真面目に造水すれば1日あたり約80リットルの水を作る事が出来
ます。特に造水に熱心な車両ではおよそ160リットルの水を作っているそうです。


(造水に熱心な115号車)
こうして作った水で生活に必要な水のほぼ全てを賄います。水は作れますが、水の使い方も日本での生活とは一味違うのでまた別の機会に書きます。

櫻井記
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