当ブログ読者の皆様こんにちは、観測隊員の津滝です。いつの間に
かクリスマスも過ぎ去りました。きっと皆様は美味しいクリスマス
ディナーを堪能したことでしょう。
ちなみに私の12月25日の夕食は、カップ焼きそばでした。
ドーム隊では様々な観測が大詰めな上、ベースキャンプの撤収など
帰路に向けた準備も控えており、各隊員は休日返上で慌ただしい毎
日を過ごしています。そのうち5名の隊員は2台の雪上車に分乗し
、アイスレーダーを用いた氷床内部層構造探査を行なっています。
111号車にはアメリカのカンザス大学、アラバマ大学の2つのレ
ーダーが設置されています。両側に4本のブドウのようなものが垂
れ下がっているのがカンザス大学のレーダーアンテナで、
氷床全層、特に深部の層構造を鮮明に観測することに特化していま
す。一方、ギザギザしたアンテナと黄色い箱がカンザス大学のレー
ダーで、主に表面から500m深までの詳細な層構造観測を目的と
しています。
111号車では3名の隊員が乗車し、レーダー観測を行なっていま
す。車輌担当の金子隊員は、約1300kmに及ぶ探査ルートの運
転と雪上車の管理を担っています。他2名はノルウェー極地研究所
から外国人同行者として参加しているVan Liefferinge隊員と津滝で、2つのレーダーの測定、メ
ンテナンスからデータ処理までを担当しています。
レーダー観測はベースキャンプ周辺にある3つのエリア(A、B、
C)で行なっています。1エリア約200kmのルートを1泊2日
で探査し、これを1セットとします。
各エリアを2回ずつ探査するので、合計6セット、
約1200kmを雪上車で走ります。これにベースキャンプからド
ームふじ基地までの往復100kmの観測を加えて、111号車で
は1300kmのレーダー観測を実施しています。1日あたり10
0~120kmを走行するため、朝5時半起床、7時前に出発して
、途中1時間弱のお昼休憩を挟む以外は、17~18時まで走り続
けます。その後キャンプの準備をして夕食を摂り、その日に取得し
たデータの処理とバックアップを行い、23時頃に就寝します。2
つのレーダーで取得されたデータはとにかく大容量で、特にカンザ
ス大学のレーダーは1日あたり1TB(テラバイト)にもなります
。データのコピー、処理で毎日4~5時間を要するため、
早朝出発し、夕方早めに観測を終えるスケジュールにしています。
睡眠時間が少ないので、日中は絶えず襲い来る睡魔と闘いながら、
レーダーシステムに接続されたノートパソコンの画面をにらめっこ
する毎日です。つらたん。。。
写真:カンザス大学、アラバマ大学のレーダーアンテナが設置され
た111号車
津滝記