第3次隊長 永田 武 氏撮影の8mmフィルムが2017年に発見されました。保存状態が良く色も鮮やかです。
ケープタウン出港~昭和基地へ、その後南極を離れ氷海に出るまでを撮影した全50分のうち、一部をご紹介します。
宗谷船内には観測室が設けられ、南極へ往復する間も観測が続けられました。
・地磁気観測室(小口隊員?)
・電離層観測室(若井隊員?)
・宇宙線観測室(福島隊員)
・気象及海洋観測室
・生物観測室
・海洋観測室
・高層気象観測室(奥:清野隊員、手前:川口隊員)
これらの観測室を順に訪問、各室内の様子、観測機器等が撮影されています。
「たった2日の郵便局」
「1月30日の第33便で基地に降り立った大瀬隊員は、郵政大臣から直接辞令を交付された、れっきとした郵便局長である。着くなり、気象棟の傍らに郵便旗を立て、空き箱をデスクとして宗谷船内郵便局昭和基地分室を開局する」(「14人と5匹の越冬隊」より)
画像:実際の消印。画像をクリックすると封筒全体が表示されます。(小松富一氏より寄贈)
第3次越冬隊成立を宣言し、永田隊長は宗谷に帰船します。永田隊長を見送る隊員たちと、子犬のミヤ(黒)とアク(白)。タロとジロ、子犬のトチはどこかに散歩に行っているのでしょうか。
南極観測隊では、隊長は越冬せず帰国し、「越冬隊長」が基地を守ります。映像の中で、隊員の真ん中に立ち赤いセーターを着ているのが村山雅美越冬隊長です。
ヘリによる昭和基地への輸送が終わり、宗谷は南極を後にします。海上からは昭和号が飛び立ち、プリンスオラフ海岸の航空写真撮影、氷状の調査に向かっています。
越冬が成立して一安心、永田武隊長が笑顔で写る場面も。遠ざかる氷山に何を思っていたのでしょう。