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アイスコア研究

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 キークエスチョン:
様々な周期をもつ氷期サイクルを決定する地球気候システムのメカニズム、そして、急激な気候変動をもたらすメカニズムは何か?
 
 私たちは、上のような問いに取り組むため、気候変動の歴史をアイスコアから解読します。南極やグリーンランドの氷床は、数万年から数十万年にわたる過去の積雪が積み重なってできたものです。こうした氷を専用のドリルによってくりぬき、円柱状のサンプル-アイスコア-を採取・分析すると、それがもともと雪として降り積もった時代の地球の古環境を読み解くことができます。地球の気候変動の将来を予測する上で、とても重要なデータを供給します。本気水圏研究グループ、それに、本気水圏研究グループに所属するメンバーを中心に運営する「アイスコア研究センター」は、こうしたアイスコア研究を強化し、中長期的視野に立ってアイスコア研究を総合的に推進しています。

 本研究所は、世界最先端の氷床深層掘削技術を有しています。南極氷床内陸に建設したドームふじ基地にて2度にわたる深層掘削を実施し、70万年以上をカバーする3035mの深さまでのアイスコア掘削に成功した実績を持ちます。また、100~300mの深さの浅層アイスコアの掘削を南極、北極やグリーンランドの多地点で実施してきました。このように、本研究所はアイスコア研究分野において、サンプルの分析研究のみではなく、掘削技術を持つという大きな特色を持っています。さらに、アイスコア・サンプルを、高度な分析技術を駆使した分析機器群を用いて、高速で分析することができる体制をこれまでにととのえてきました。私達は、アイスコア研究センターを中心にして、国内的と国際的に、アイスコア研究を学際的融合研究として飛躍的な進捗をさせること目指しています。アイスコアのデータと研究成果を充実させ、それらを速やかに公開します。



図:南極氷床のドームふじで掘削されるアイスコアの近将来の課題を表現したスライド。右図は、海底堆積物から解読された酸素同位体比のデータと、アイスコアから解読された水素同位体のデータの比較を示す。アイスコアからのデータは、現時点では約82万年が最も古いものである。それよりも古い年代をもつアイスコアの取得を目指して、世界のアイスコア研究者は活動を続けている。海底堆積物から得られる気候シグナルの特徴は、主に海水温や海水準を反映する。これに対し、アイスコアからは、スライドの右側に示すような多くの成分についてのシグナルを獲得できる。氷期・間氷期変動の主要な時間サイクルは、約100万年前の時代には、現在の10万年周期ではなく、4万年周期が卓越していた。そうした時代のアイスコアを取得し、大気成分と気候の関係をひもといていくことが現在の大きな課題である。

 アイスコア研究は、掘削機開発の歴史も、アイスコア解析技術の開発の経緯も、国際連携が大きな役割を果たしてきました。私達は今後も諸外国のアイスコア研究関係のラボや人々との連携を重ねていきます。


以下もどうぞご覧下さい。 

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