南極の観測に無人飛行機の利用を考えてから20年が経とうとしています。 科学者が工学分野に入り、工学者が科学の分野を理解して、観測と研究を続けています。 もともと南極は厳しい自然環境を特徴としたフィールドです。ブリザードが終わるまで、 そこで生活を続けるのが精いっぱいです。 部品がなくなればそこで観測を終了せざるを得ません。何よりも、事故を回避しなければ なりません。そのための仕組みの開発や運用規則の整備を考えながら進んできました。 当初設定した利用目的は、広域地磁気測定、3次元大気観測、生物撮影、海氷・氷床上ルート 工作用撮影でした。 ここ数年の間、大気の分野においては、科学的知見を広げるデータを取れるようになりました。 これまでの活動を俯瞰して、新しい技術はその開発よりも、その安定運用や定着に困難さがあり、 一進一退を繰り返してきました。これは今後の重い課題でもあります。
(文・平沢尚彦)

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   ★南極UAV研究集会の運営/代表:林 政彦(福岡大学)、 幹事:平沢尚彦(極地研究所)
Phase-2 南極におけるUAV観測
主なメンバー

平沢尚彦 (極地研究所、気水圏):水循環
林 政彦 (福岡大学、地球科学):エアロゾル
東野伸一郎 (九州大学、航空工学):自律型航空機製作

Ongoing! JARE-62 Feb 2021 - Nov 2021, Syowa Station : 柴田
柴田・支援隊員(現地):エンジン式カイトプレーン/最高高度 3000 m/
        気象、エアロゾルカウンター
JARE-60 Dec 2018 - Jan 2019, S17 on the Antarctic ice sheet : 佐賀 原口 堤 小林
原口・佐賀・小林:エンジン式カイトプレーン/最高高度 3000 m/
        気象、エアロゾルカウンター、バイオフィルター
堤:気球浮揚式UAV(Phoenix)/最高高度 2 q/
        気象、エアロゾルカウンター、電顕フィルター
JARE-59 Feb - Nov 2018, Syowa Station:平沢
平沢・大石・山田:エンジン式カイトプレーン/最大進出距離 5 q 往復/
        気象、エアロゾルカウンター
JARE-58 Dec 2016 - Jan 2017, S17 on the Antarctic ice sheet : 平沢 林
林・平沢:エンジン式カイトプレーン/最大進出距離 20 q 往復/
        気象、エアロゾルカウンター、電顕フィルター
林:気球浮揚式UAV(Phoenix)/最高高度 5 q/
        気象、エアロゾルカウンター、電顕フィルター
中田(パイロット):KKT(熊本県民テレビ)ドローン中田の南極日記
JARE-56 Dec 2014 - Jan 2015, Syowa Station & S17 on the Antarctic ice sheet : 平沢 東野
東野・岡田:気球浮揚式UAV(Phoenix)/最高高度 23 q/
        気象、エアロゾルカウンター、電顕フィルター
平沢・岡部:エンジン式カイトプレーン/気象、エアロゾルカウンター
JARE-54 Dec 2012 - Jan 2013, Syowa Station : 東野
東野:気球浮揚式UAV(Phoenix)/最高高度10q/
        気象、エアロゾルカウンター、電顕フィルター
Phase-1 極地研におけるUAV活動の黎明期(主な野外実験と研究会)
代表 船木 實 (極地研究所、地学系) :地磁気測定

平沢尚彦 (極地研究所、気水圏系):大気観測
伊村 智 (極地研究所、生物系) :生物撮影
東野伸一郎 (九州大学、航空工学):自律型航空機製作

21 Mar 2007 上五島空港
・1000km飛行試験   ・地磁気センサー
29 Jan - 2 Feb 2007 S17,南極昭和基地より約20kmの大陸氷床上
・南極氷床上での試験観測(第48次隊計画)    ・気象センサー
28-29 September 2006 第三回研究会

「小型無人航空機の現状と科学観測への応用に関する研究会」

29-30 May 2006 鳥海山麓、由利本荘市、秋田県
・J48南極観測隊訓練

21-22 March 2006 Kalgoorlie, オーストラリア

・5時間、500km飛行   ・地磁気データ取得    ・インターバルカメラ撮影

1-3 March 2006 豊頃町、北海道

・寒冷地試験   ・橇による離着陸

20-24 September 2005 豊頃町、北海道

・長時間飛行試験(3時間)   ・気象センサー部分改修確認

27-30 June 2005 紋別市、北海道

・高度5700m飛行   ・気象センサー(ゾンデ、OPC)試験

3-4 March 2005 第二回研究会

「小型無人航空機の現状と科学観測への応用に関する研究会」 講演数:28件

13-14 September 2004 鳥海山

・格子状ルート測定による100km自律飛行(高度800m・時速130km/h)
・地磁気センサー試験   ・気象センサー(ゾンデ)試験

17-18 November 2003 桜島

・周回ルートによる60km自律飛行(高度700-1400m・時速130km/h)    ・地磁気センサー試験

7 March 2003 第一回研究会

「自律型模型航空機の現状と研究観測に関する研究会」 講演数:17件