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気水圏グループが推進する研究 大きく8つに組み上げて説明します。
大気・地表面の放射過程の研究
氷床流動の力学過程の研究
南極氷床表面の水収支・質量収支の研究
大気循環が担う熱・水・物質輸送の研究
広域海氷生成機構の研究
海氷生成と海洋大循環・海洋物質循環の研究
北極温暖化増幅・北極域変動と日本への影響の研究
アイスコアによる気候変動の研究
大気循環が担う、熱・水・物質輸送の研究
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低気圧・ブロッキング等の総観規模擾乱、もっと大きな惑星規模波動、そして、カタバ風などの極域の独特な大気循環システムの活動度によって極域への熱・水・物質の輸送量が変わります。その活動度はエルニーニョや北極振動、南極振動など、大気‐海洋系が持つ固有の内部変動モードと相互作用し、数年程度から数10年で変動する気候システムを作り出します。
大気循環システムの影響は多岐に及びますが、例えば、北極海で発達する低気圧は、熱的・力学的に夏季海氷減少を促進させることが明らかになり、世界的に注目され始めています。低気圧に伴う風や気温変化は大気海洋間の熱交換を変え、氷上の降雪・積雪は太陽光の反射率や海氷の成長速度を変化させます。低気圧活動に伴う陸上の熱・水循環の変化は積雪や消雪のタイミングを変え、凍土や植生の分布、河川流量の変動などを引き起こします。河川流量の変動は、北極海の成層構造の変化、そして栄養塩などの物質循環にも影響が及ぶため、大気-海氷-海洋-陸面-生物相互作用を意識した、10年以上の長期観測・研究体制に両極で取り組むことが望まれます。
図1:北極海の海氷減少にともない海氷縁で低気圧が頻繁に発生・発達
(Inoue and Hori, 2011を加筆・修正)。
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