南極氷床上には、氷床下部で雪の圧密により生成した氷が露出している場所があります。
そのような場所は裸氷帯と呼ばれています。
今日はそんな裸氷帯のアイスコアを紹介します。
まずはこの方。
やまと山脈周辺のK26(南やまと)というサイトで今から30年以上前、1986年12月21日に掘削されました。
コアは全長7m。
通常、この深度の氷床コアはフィルンと呼ばれる雪層ですが、裸氷帯で掘削したコアの場合は、この深度でも気泡の入った氷になっています。(↓写真)
続いては、この方。
1984年12月10.11日にやまと山脈A群の航空拠点で掘削された20m浅層コアです。
こちらもこんな感じで気泡のたくさん入った氷になっています。
この気泡の中には大昔の空気が閉じ込められています。
....ちなみに、これらのコアが掘削されたやまと山脈周辺は隕石の発見場所としても有名です。
1969年に第10次南極地域観測隊がやまと山脈で9個の隕石を発見して以降、隕石調査が度々行われています。
これまでに日本の南極観測隊が発見した隕石は17000個以上にも及び、現在は世界第2位の隕石保有国となっています。