南極観測隊便り 2017/2018


2017/10/30

ルート策定の詰め作業

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 内陸ドーム隊のメンバーで、ドームふじまでのルート情報の最終的な詰めの作業をすすめています。昭和基地から、ドームふじまでの道のりは約1000km。この道のりを雪上車隊で進んでいくことになります。橇を多数曳いた車両が出せる速度は、時速5~7km程度程度です。ですから、現地に到着するまでは、沿岸に位置するS16地点から、内陸のドームふじまで、数週間の道のりになります。下の画像は、ドームふじに向かうルートをグーグルアース上に表示してみたものです。ルートは、緯度経度の座標で定義されています。S16地点が、図の北端、南に向かって、曲がり角になっているところが「みずほ基地」です。ここからドームふじ付近(ルートの南端)までは、約740kmになります。みずほ基地からドームふじに向かうルートの約360km区間は、サスツルギ帯と呼ばれ、雪面の凹凸がとても大きい地域です。この地域の走行の際には、車両や橇が傷んでしまうことが多いので、人工衛星データの分析に基づいて作成したサスツルギ迂回ルート(赤線)も策定されています。GPS関連ツールの進歩も近年は大きいです。その話題はまたいつか。(藤田記)


図:グーグルーアースに表示した内陸ルート。昭和基地はルート北端(上側)近傍。図の中央部左側の青い部分は「やまと山脈」と周辺の氷原地域、図の左側やや上の黒い色の分布は、「セールロンダーネ山地」です。
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