南極観測隊便り 2017/2018


2018/01/08

「木製標識がつなぐ、観測隊の過去と未来」への追記

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
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1月7日(日)夕方には、氷床レーダ観測班(通称第4レグ走行、担当:藤田、杉浦)がドームふじの標高最高点近傍を雪上車で通過しました。
この地点は、ドームふじ基地からは東に約15キロメートル離れています。
レーダの観測ルートから数百メートルの距離のところに、木製標識をみつけました。
記憶によれば、人工衛星からの標高観測で求めた最高点には、44次越冬隊が設置した木柱が立っていたはず。
しかし、今回見えたのはそれとは別物でした。経緯度から判断して、既知の木柱からは数キロ離れている場所です。
近寄ってみると、第26次隊が設置した木彫りの立派なものでした。隊長や、越冬隊員と思われる全員の名前が彫ってあります。33年前の隊次。大先輩にあたる方々です。後日にここを訪れたいくつかの隊次の方々の名前も、マジックで追記してありました。主に44次~48次隊の方々のお名前です。実はこれらの皆さん、この標識の存在をご存じだったのですね。私は過去に何度かこの近傍は通ったのですが、44次の木柱のことしか認識がありませんでした。
これを立てた第26次隊といえば、上田豊氏がリーダーをつとめた内陸調査隊がDFルートを開拓したときです。人工衛星からの標高観測データが実用化されるずっと以前に、頂上の位置をこれだけの精度で求めていたことを再認識しました。雪のドーム状の大平原ですから、10キロメートル移動しても標高は1メートル違うかどうかです。後日に立った木柱の地点との標高差はほぼ無いと言っていい場所です。
33年前に建立された立派な記念標識に感動し敬意を表し、記念写真を撮影しました。その後に現地を離れレーダ観測走行を継続しました。

(藤田記)
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