研究ハイライト

静穏時における電離圏トラフの季節変化と太陽活動度依存性2014.9.26

トラフの発生頻度を磁気地方時-磁気緯度分布に示した結果。夏季でもpost-midnightでは発生頻度が高い。

(a)トラフの発生頻度とイオン速度、(b)トラフ内部のイオン温度の増加量(摩擦加熱量)

・過去30年分(1982-2011年)のEISCATレーダーデータを統計的に解析して、静穏時の電離圏トラフ(電離圏の電子密度減少領域)の季節変化と太陽活動度依存性を明らかにした。
・季節変化の解析により、日照域におけるトラフ構造の維持には、摩擦加熱が重要であることが示唆された。この理由は、摩擦加熱に伴って解離再結合反応(電子密度が減少する化学反応)が促進されるためである。
・太陽活動度依存性の解析により、沿磁力線電流がトラフの発生頻度に影響を与えることが示唆された。特に太陽活動度が高いとき程、その影響が強く表れることを明らかにした。

Ishida, T., Y. Ogawa, A. Kadokura, Y. Hiraki, and I. Häggström (2014), Seasonal variation and solar activity dependence of the quiet-time ionospheric trough, J. Geophys. Res., 119, doi:10.1002/2014JA019996.

カテゴリ:トラフ


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