低温室ユーザー専用ページ
ユーザー専用ページの閲覧にはログインIDとパスワードが必要になります。
閲覧を希望する場合は下記連絡先にお問い合わせ下さい。
ユーザーページコンテンツ
・入庫・出庫登録
・貯蔵資試料データベースリンク
・低温室内監視カメラの現在映像など
 
所内アクセス限定の低温室ページ
ユーザーページとほぼ同等の内容を所内掲示版よりご覧いただけます。
 

連絡先

  大学共同利用機関法人
  情報・システム研究機構 
  国立極地研究所 
  アイスコア研究センター
  〒190-8518 
  東京都立川市緑町10-3
  E-mail: teionsitu [at] nipr.ac.jp 
  *[at]を@に変換して下さい。
  担当者についてはこちら
  参照して下さい。
 ---------------------------------------
    All Rights Reserved, Copyright ©
    National Institute of Polar Research

 

サイト内検索

アクセスカウンター

COUNTER367092

オンライン状況

オンラインユーザー1人

低温室便り


2017/11/24

みずほコア2

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
南極ドーム隊は5日に渡るブリ停滞ののち、ついにみずほ基地に到着したようですね!(こちら
今日は、みずほ繋がりということで、先日紹介したみずほコア1のつづき(詳細情報)です。

(以下長いので、アイスコアに興味がある方向けです)

このみずほコアは今から30年程前、24次隊・25次隊によって掘削された全長700mのアイスコアです。

24次隊によって掘削された深度413mまでのコアのうち、50~130mは抜けている部分が多いのですが、それ以外はほぼ全深度(サンプル)そろっています。
また25次隊によって掘削された133.5~700.56mのコアは、24次隊と重なる深度はあまり残っていませんが、400m以深はM'1132(680m)以外、全深度(サンプル)そろっています。

これらはすでにδ18O、dust(固体粒子数)、EC、PH、各種イオン濃度などが分析されています。
また、今年の2・3月には、ほぼ全深度に渡って、DEP(電気伝導度)計測も行いました。

この700mのみずほコアはコア中の氷結晶の結晶軸のパターンの変化から、過去9400年分に相当すると見積もられています。

他に以下のような特徴があります。

●サーマルドリルで掘削
ドームふじコアなど、最近の主流はメカニカルドリルですですが、みずほコアはサーマルドリルで掘削されました。
コアの直径は近年のアイスコアに比べて大きく、約12cmです。
サーマルドリルでは、リング状のヒーターで氷を融かして掘り進むため、低温の氷に急激な温度変化を引き起こし、特に130m以深ではコアに水平方向のクラック(ひび)が多数生じています。


(写真は270m付近のコアの様子です )

●500m付近に汚れ層(テフラ層)
このテフラ層の起源は約3000km離れたサウスサンドウィッチ諸島の火山だと考えられています。
なかなか分かりづらいかもしれませんが、少し大きめの写真を載せておきます。





これらのコアは全て写真を撮り、データベース化して、低温室に保管しています。

参考:
WATANABE, O., FUJII, Y., & MOTOYAMA, H. (1992): Results of Analyses of Mizuho 700m Ice Core, East Antarctica Part 1. δ18O, Microparticles, ECM (Acidity), pH, Major Ions. JARE data reports. Glaciology, 20, 1-79.

Nakawo, M., Ohmae, H., Nishio, F., & Kawada, T. (1989): Dating the Mizuho 700-m core from core ice fabric data. In Proceedings of the NIPR Symposium on Polar Meteorology and Glaciology (Vol. 2, pp. 105-110). 国立極地研究所.

Higashi, A., & Fujii, Y. (1994): Studies on microparticles contained in medium-depth ice cores retrieved from east Dronning Maud Land, Antarctica. Annals of Glaciology, 20(1), 73-79.

17:18 | ギャラリー