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広がる応用1・魚類1

三陸沿岸での産卵回遊中のサケの遊泳行動

母川へ回帰するサケの遊泳行動を解析

岩手県大槌湾を周辺の三陸沿岸において、沿岸域から産卵場の母川にむけて回遊するシロサケを対象とし、マイクロデータロガーにより遊泳深度、経験水温のデータを得た。定置網や延縄により捕獲したサケに装着し、漁業者による再捕獲でロガーを回収する。これまでに約80個体への装着・放流がおこなわれ、約40〜50%の回収率をもつ。


V字形の鉛直的な移動行動を繰り返す12月の個体(深度と水温)

沖合いで捕獲され、まだ成熟が進んでいないサケの遊泳行動が取得データから解析された。海水温度が低い12月の測定個体では海表面付近を起点とするV字形の鉛直的な移動行動を繰り返す。海水温度の高い10月の個体では、同様に鉛直的な移動行動が、海底域と海表域とで二者選択的にみられ、この差異は水温の影響と見られる。
自分の生まれた川を求めるサケの母川回帰に、海表面近くでの鉛直的な移動行動が、一定の機能を果たしていると考えられる。


鉛直的な移動行動が海底域と海表域とでみられる10月の測定個体(深度と水温)


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〈参考論文〉
 →魚類論文ページ

FS00-1  Naito, Y., H. Tanaka and H. Ueda 2000
Swimming behavior and the response to temperature of lacustrine masu salmon, Oncorhynchus masou Brevoort, monitered by data logger during the spawning migration in Lake Toya
 Polar Bioscience, 13, 87-94
FS00-2  Tanaka, H., Y. Takagi, and Y. Naito 2000
Behavioural thermoregulation of chum salmon during homing migration in coastal waters.
 The Journal of Experimental Biology, 203, 1825-1833
FS98-1  Hideji Tanaka, Yasuaki takagi, Munehiko IWATA and Yasuhiko Naito 1998
The behavior and ambient temperature of homing chum salmon monitored by a data logger
 Proceedings of the NIPR symposium on Polar Biology 11 62-73
FS97-1  田中秀二 1997
沿岸域における産卵回遊中のサケの遊泳行動
 月刊海洋 29 154-160

 
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