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2nd深層掘削レポート 8(05'1.16-01.22)

第四週(1月16日(日)から1月22日(土))
天気概況
おおむね晴であったが、上層雲が拡がることが多かった。16,20,22日に雪が観測され、毎日細氷が観測された。風は風速5m/sを超えることがすくなく、とても穏やかであった。
観測結果:平均気圧607.8hPa、最高気圧610.5hPa(16日)、最低気圧606.3hPa(21日)、平均気温-35.3℃、最高気温-28.0℃(18日)、最低気温-43.6℃(22日)、平均風速3.3m/s、最大風速5.6m/s(18日)、最大瞬間風速5.7m/s(19日)
深層掘削

(概要)
 掘削深:1850.35m、掘削回数:61回、週掘削長:230.64m、平均コア長:3.78m
 水曜日にケーブルキンクが発生したが、幸いなことに先端の方だったので200m程度切断して掘削再開した。深層ケーブルは、まだ3200m巻いてあるので氷床底には十分な長さである。掘削最終日となった土曜日の最終RUNで1850.35mに達した。2年次では362.31mから1850.35m深を掘削した。延べの掘削日数が42日間で掘削回数は406回、総コア長が1488.04m、掘削1回あたりの平均コア長が3.67mとおおむね順調に掘削することができた。純国産であるが世界的に優秀な深層ドリルである。 {一日の区切りを午前8時から翌午前8時までとする}


<1月16日(日)>
 掘削深1657.42m、掘削回数10回、日掘削長37.71m、平均コア長3.77m、チップ回収1回。 チップ回収1回、11kg。
 カッターを取り替えたら、掘削は順調だが先週は3.0-3.2Aだった電流値が3.3-3.5Aと大きくなった。それで、先週と同じ番号の砥いだカッターにする。接地圧を18-20%と軽くしても切削は順調である。深夜シフトでカッターを35度から40度に付け替えてみた。電流値は掘進3.1mまでは2.5Aで、それ以降増加したが、切削は順調。コア表面は少しでこぼこしているが、許容範囲であろう。


<1月17日(月)>
 掘削深1694.92m、掘削回数10回、日掘削長37.50m、平均コア長3.75m。
 順調な掘削だが、コアカットで1010kgを記録。接地圧を50-60%まであげてから引き上げてみる。まあまあの結果。その後はノーマルにコアカットしても700kg台で収まることが多い。ケーブルにキンク痕。157.24mから2.5mにわたりキンクの痕。172.23mにアーマーの「より」が少しルーズになっている。

<1月18日(火)>
 掘削深1736.34m、掘削回数11回、日掘削長41.42m、平均コア長3.77m。
 掘削は順調。2号機のスーパーバンガーの逆止弁が半分しか動かなかった。解凍するとブチル水がたっぷり出てきてOKになる。板バネ交換。コアバレル2号機-2に35度カッターとP5シューをつけて掘削してみるが、4A掘削。電流値が高すぎるし、コア表面がガタガタであった。1号機での40度カッター掘削は、それほどコア表面が悪くなくなった。

<1月19日(水)>
 掘削深1766.65m、掘削回数8回、日掘削長30.31m、平均コア長3.79m。
 ケーブルキンク発生。ドリルを下ろしているときに発生したらしく、孔底の深さがおかしく、掘削終了後上げてみたら、80m深付近でとぐろ。ワイヤーケーブルを吊りながら、ほぐして、巻き取り成功。そのあと、110m付近、150m付近、180m付近でケーブル損傷。200mほどケーブル切断してケーブルグリップを再接続。時間があるので、アンチトルクとチップ室の間の耐圧室、ワンタッチジョイントを交換。耐圧コネクターのチェック。コンピューターのみ同じのを使う。ところが、から回ししてるときの電流値が1.2Aと高い(前回のは0.5A程度)。安定掘削するが、全体に電流値が高い。それで元の2号機にモーター・減速機を交換する。最初の電流値は下がったが掘削時の電流値は3.5A程度と高かった。

<1月20日(木)>
 掘削深1804.79m、掘削回数10回、日掘削長38.14m、平均コア長3.81m。
 順調な掘削。昨日取り替えたモーター・減速機でも電流値が高かったのは、ドライブシャフトシールなどが新品のためらしい。

<1月21日(金)>
 掘削深1842.76m、掘削回数10回、日掘削長37.97m、平均コア長3.80m。
 カッターは次第に切れ味がにぶってくるので、こまめな交換が必要。コアキャッチャーについても同様。日中の掘削では接地圧が14%台でも掘削できていた。一番早い例が、0-3.5mの掘削で23.6cm/min。40度の刃に旧シューを取り付けて、2号機-1コアバレルでようやく順調に掘削。但し表面は多少ガタガタしている。

<1月22日(土)>
掘削深1850.35m、掘削回数2回、日掘削長7.59m、平均コア長3.79m。
 2回掘削。今シーズン最後のコア掘削で、コア最終深度1850.35m。
後片付け。チップ捨ては15ドラム分。

コア現場処理

(概要)
コア解析深:1259.50m。コア解析は毎日順調に進んだ。1月21日でコア現場解析を終了した。


<1月16日(日)>
ドームふじにおける雪尺観測とAWS保守作業、DF80における積雪採取作業のため、コア解析は実施せず。
<1月17日(月)>
 1111.00〜1141.00mのコア現場解析、梱包。
<1月18日(火)>
 1141.00〜1172.50mのコア現場解析、梱包。
<1月19日(水)>
 1172.50〜1201.00mのコア現場解析、梱包。
<1月20日(木)>
 1201.00〜1238.50mのコア現場解析、梱包。
<1月21日(金)>
 1138.50〜1259.50mのコア現場解析、梱包。コア解析トレンチの後かたづけ。
<1月22日(土)>
 温度取りのデータ回収及び再設置。同位体サンプルの橇積み。コア解析関係物資の整理、在庫調査。