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2nd深層掘削レポート 6(05'1.2-01.08)

第四週(1月2日(日)から1月8日(土))
天気概況
おむね晴であったが、2,6,7日は中層雲が拡がり曇となることがあった。また、細氷が毎日観測された。2-4日は風速5m/sを超えることがおおく、4日には地吹雪が観測された。
観測結果:平均気圧611.0hPa、最高気圧615.6hPa(2日)、最低気圧607.2hPa(8日)、平均気温-32.1℃、最高気温-25.0℃(2日)、最低気温-40.2℃(8日)、平均風速5.1m/s、最大風速9.8m/s(4日)、最大瞬間風速11.4m/s(4日)
深層掘削

(概要)
 掘削深:1347.26m、掘削回数:68回、週掘削長:242.14m、平均コア長:3.56m
 週初めのチップ回収RUNは回収機いっぱいのチップが回収された。掘削についてはピッチを大きくして(シューをP4にして)掘削するとチップが粗くなりコア回収率があがった。40度のカッターは切削電流値が低い(2.5A程度)がコア表面が荒い。35度のカッターはコア表面がきれいであるが切削電流値がたいてい3A以上になる。切削チップが粗くなったことに加え、新堀式チップ逆流防止飾りやチップ逆止弁が効果的に効くとチップ室やコアバレル外側にチップ満載になるようになった。火山灰層発見。1112.015-1112.023mの幅8mm、薄い。1294.715-1294.717mの幅2mm、茶黄色。
{一日の区切りを午前8時から翌午前8時までとする}


<1月2日(日)>
 掘削深1130.34m、掘削回数8回、日掘削長25.22m、平均コア長3.15m、チップ回収3回。
 8時から2005年の掘削シフト開始。チップ回収ラン3回。下ろすときにチップ回収機上部についている窓を閉めて、上げるときに閉じる。1回目で4mのチップ回収機いっぱいの18.8kg、2回目が10.8kg、3回目が8kg。チップ回収機は2mものを2つ繋げているが、そのジョイント部のわずかな径の違いで粘土状に集まったチップが引っかかるので、いちいち中央部のジョイントを外してチップを排出した。2回目のチップ回収ランで地上に引き上げるときにドリルヘッドがケーシングトップに差し込んであるパンの折込に引っかかる。この折込が内側に多少出ていたためであり、ハンドグラインダーで4枚切断した。このあと掘削再開したが、最初のランでドリルヘッドが再度同じ場所に引っかかったので、ここを通過するときにはスピードを極力落とすことと、テレビ画面を注視することとした。
 掘削2回目のドリル引き上げ時にウインチインバーターが暴走し、自然落下状態になった。インバーターの環境温度が59度になってたのが原因である。冷静にウインチへブレーキをかけた。それからゆっくり引き上げたが、幸いなことにケーブルにキンクはなかった。チップ回収後の掘削は、ほぼ昨年末と同じ仕様であったが、掘削長は3.8m以上であるが、回収チップが少ない。深夜シフトで35度のカッターと50mmのブースター3個の昨年快調に掘削・チップ回収ができた仕様の戻して、がりがり掘削してみると、短冊状のおおきなチップが見られ、チップ回収率もいいようであった。交代時には、前回コアカットされたが孔内に取り残された長さ6cmコアがドリルを下ろしたときにちょうどコアバレルに斜めに入り込み、掘削不能となった。
 火山灰層発見1112.015-1112.023mの幅8mm、薄い。


<1月3日(月)>
 掘削深1168.70m、掘削回数11回、日掘削長38.36m、平均コア長3.49m。
 深夜シフトの仕様で掘削を継続するが、ふたたびチップ回収率が悪くなった。2号機のシャフトにチップ流下防止飾り(8輪+花+10輪)をつけたのは、チップ回収がいいが、せいぜい3m程度のコアしか掘削できない。1号機でコア長をかぜぎ、2号機でチップ回収をしているようである。その後も1号機のブースター位置やトップフィルターの仕様を変えてみたが芳しくない。深夜シフトでコアバレル2号機の方がチップ回収率がいいことに基づいて、35度のカッターにP5のシューをつけてみたら電流値はずっと高めで掘り方がむずかしかたが、3.4mのコアとチップ満載。このシューをP4に付け替えたらすんなり3.68mのコアとチップはほどほど回収。なお朝シフトでマストのチルト調整を行った。

<1月4日(火)>
 掘削深1204.70m、掘削回数10回、日掘削長36.00m、平均コア長3.60m。
 Run#313切削終了後モーターに300V加圧中、正逆転スイッチをニュートラルへ倒したら、パチンと音がして正転不能になった。このスイッチ正転部分融着のため作動不能になっていた。また中継コンピューターのON/OFFを短時間に繰り返したためプログラムをロードしなくなり、CPUボード交換。ブースターを3100mから2600mmへ下げたらチップ満載、バレル取り出しが多少困難でチップ室をプラハンで叩く。しかし3m程度掘削すると接地圧30%でも滑るようになった。#315で35度のカッターの1号機でピッチ設定をP4より大きめにすると電流値は3.4程度と高いが、安定掘削で粗いチップ28kgとOK。2号機-1も35度カッター交換で2.8-3.0Aで安定掘削。P4で粗く掘削するのがいいみたい。

<1月5日(水)>
 掘削深1249.83m、掘削回数12回、日掘削長45.13m、平均コア長3.76m。
 Run#321で再度通信不能。中継コンピューター内の高温のためらしい。CPUボード交換。温度上昇防止のため冷却ファンをつける。掘削は刃の食いつきがだんだん悪くなる。Run#0322では3m掘削後、接地圧53%でようやく食いつく。40度のカッターにすると、P4のシューでも電流値は2.5A程度と低くなり、安定掘削だが氷コアの表面はすりガラス状。コア表面を無視すれば40度P4での掘削が電流値が低くチップも粗くOK。

<1月6日(木)>
 掘削深1290.81m、掘削回数11回、日掘削長40.98m、平均コア長3.73m。
 ケーシングトップのパンがドリルの昇降のときに引っかかるので、スカート部を全部切断。コアバレル2号機-2の上部にφ6.5mmの孔を2個あけて掘ってみるが、効果のほどはわからない。ずっと40度のカッターで粗いチップで掘り進む。深夜シフトになり、Run337でコアバレル1号機に35度旧P4をセットすると切削3.1A, 接地圧27%でスーッと掘れる。チップも29.5kgでOK。コア表面もきれい。

<1月7日(金)>
 掘削深1332.11m、掘削回数12回、日掘削長41.30m、平均コア長3.44m。
 深夜の仕様のは電流値が高くなったのでカッター交換。切削中の電流値は3.5A程度と若干高いが、3.7m以上の安定掘削が可能。深夜シフトで昨シーズン未使用の35度カッターに取り替えてみる。すると電流値が3mまでは2.6-2.7Aで接地圧も低く快調に切削。コアの表面にはカッター3本の溝が残り、いい切削である。カッターの鋭さとバランスかなと感じる。午後のRUNで取り残しコアがコアバレルにはまり込み、掘削不能になった(2回目)。火山灰層1294.715-1294.717m、茶黄色。

<1月8日(土)>
 掘削深1347.26m、掘削回数4回、日掘削長15.15m、平均コア長3.79m。
 深夜シフトからの引継ぎの仕様は快調に4ラン。掘進長3mを超えると電流値が上がってくるがベストなコアである。チップも粗い。チップ逆止弁やコアキャッチャ倒れ防止ビスの損傷があるので整備。

コア現場処理

(概要)
コア解析深:487.5m。300m深を越えてからコアが徐々に割れやすくなってきた。1月6日から今シーズン掘削したコアの現場解析を開始。


<1月2日(日)>
 229.00m〜257.50mのコア現場解析、梱包。 


<1月3日(月)>
 257.50m〜292.00mのコア現場解析、梱包。コア解析室の予備電源工事実施。 

<1月4日(火)>
 292.00m〜316.00mのコア現場解析、梱包。水平バンドソー2のホイール止めネジ調整。

<1月5日(水)>
 316.00m〜347.50mのコア現場解析、梱包。

<1月6日(木)>
 347.50m〜371.50mのコア現場解析、梱包。水平バンドソー2のホイール止めネジ調整。コア解析室の電気工事。

<1月7日(金)>
 371.50m〜406.00mのコア現場解析、梱包。コア解析室の電気工事。水平バンドソー1で切断中、同位体サンプルが割れやすくなったので、水平バンドソー1の切断速度を遅くした。

<1月8日(土)>
 406.00m〜436.00mのコア現場解析、梱包。水平バンドソー2で切断中、コアがえぐれるようになったので、水平バンドソー2の切断速度も遅くした。コアが非常にもろくなってきた。