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2nd深層掘削レポート 2(04'12.5-12.11)

第二週(12月5日(日)から12月11日(土))
 深層掘削はドリルコンピュータと中継コンピュータの信号伝達系の調整に時間がかかったが、国内とのやり取りでほぼ解決した。現場処理用のトレンチ作成が全員の協力の下、無事終了した。11日には今シーズン最初の氷コアを採取し、深層掘削の2年目が開始された。

天気概況:薄雲が拡がることがおおく、9日には雪が降ったが、10,11日は晴れた。また、細氷が毎日観測された。風速5m/sを超えることがおおく5,6日は低い地吹雪が観測されたが、9,10 日には風が弱まった。
観測結果:平均気圧609.9hPa、最高気圧617.3hPa(10日)、最低気圧604.6hPa(5日)、平均気温-34.1℃、最高気温-25.7℃(10日)、最低気温-42.7℃(7日)、平均風向5.3m/s、最大風速10.2m/s(5日)、最大瞬間風速12.1m/s(5日)


<12月5日(日)>
 深層掘削:休養日課。一部軽作業
 現場処理:休日日課

<12月6日(月)>
 深層掘削:マスト樋ブチル漏れ対策。コントロール室整理。チップ回収機を組み立てて掘削孔に下ろすが、2回とも105m深でストップ。多分、越冬中に液中浮遊チップが浮いてきて固まっているのであろう。チップ回収RUN2回。総計2kg回収。
 現場処理:ロボットモジュールをSM114車内で暖めた。コア貯蔵庫用温度ロガー(温度とり)の設定。コア一次貯蔵庫(旧現場処理室)に設置するコア貯蔵用ラック組み立て。

<12月7日(火)>
 深層掘削:掘削ピット蓋修正。チップ捨て用ドラム缶つくり(24本)。ドリルコンピューター調整。ドリルコンピューターとの通信が不調であるが、液面上端と孔底確認のため深層ドリルを組んで孔内に降ろす。105m深の硬い層は数回の落下で楽に突破。自然落下で昨年の孔底までスムーズに降り、孔内に異常がないのを確認。耐圧室に液封液が充満していたため、分解して侵入経路を調査したが不明。検層機の調整。ウインチケーブル200m程度の巻き直しあり。
 現場処理:SM114車内でロボットモジュールのテスト。コア一次貯蔵庫内に温度取りを設置。コア現場処理トレンチ掘り(除雪機を利用)。

<12月8日(水)>
 深層掘削:検層観測は通信系のトラブルのため中止とした。ドリルコンピュータ調整。液封液にまみれた部品は乾燥させ、もう一つの系でドリルを組み立てる。チップ用空ドラム24本、液封液22本を掘削場風下に準備。不用品整理。リフター小屋設置・チップコンテナ滑り台設置(本多棟梁による)。
 現場処理:

<12月9日(木)>
 深層掘削:ドリルコンピュータ、中継コンピュータの調整。屋外設備の整備。夜半に通信系がひとまず解決する。
 現場処理:コア現場処理トレンチ掘り(除雪機を利用)。トレンチ屋根材(デッキプレート)の搬入。

<12月10日(金)>
 深層掘削:ドリルを組み立てる。接地圧とアンチトルクの調整後、ドリルを孔内に降ろしてコア掘削を試みるが接地圧があがるのみで掘進しない。耐圧室を開けてみたら再び浸水。この原因は耐圧コネクターの損傷であった。何か孔底がおかしいので、46次航空隊が持参した磁石型シューをつけてドリルを降ろしてみる。最初のfishing runでボルト2本回収、次のfishing runでボルト5本、イモビス1個回収した。ボルトはドリルのワンタッチジョイントと耐圧室を止めていたもの。イモビスはカッターマウントの調整用のもの。ドリラー全員で猛反省。normal run 1回、fishing run 2回。ボルト7本、イモビス1本回収。
 現場処理:コア現場処理トレンチ掘り。トレンチ屋根材(デッキプレート)他建築資材の搬入。

<12月11日(土)>
 深層掘削:ドリル設備全体の増し締め、確認。コアバレル洗浄台の固定。最初のfishing runでボルト1本と4cm深の氷コア採取。今シーズン最初の氷コアとなった。昨年最終コアとの尻合わせもぴったり。2回目のfishing runで何も獲物がかかってこなかったので、normalな仕様にドリルを変更する。アンチトルクを強くしてすくい角35度のカッターにpitch 3mmのシューをつけてnormal runを実施。昨シーズン後半の順調な掘削が可能であった。normal run2回目からは1号機コアバレルから2号機-2コアバレルに変更し、35度のカッターとpitch 4mmのシューとし、安定した掘削が出来た。日掘削長15.18m、377.49mまで掘削、normal run 4回、fishing run 2回。
 現場処理:コア現場処理トレンチの屋根がけ。旧現場処理トレンチとの接合部にリフター設置工事。