11/23前日11/22夜に、ノルウェー人同行者を乗せたフラ
イトが11/23夕刻に来る可能性について連絡がありました。着陸に適した積雪表
面として、MD180を選択し、ここへ移動しました。晴天のなか朝
一番に移動し、そして種々の準備にとりかかりました。車両4台を活用し
た滑走路整備や、飛来する航空機に給油するための燃料ドラムの設置
。人数が増えたときの居住に対応できるように雪上車内の整理や、布
団等睡眠関係装備の整理等。天候は非常に良く、夕方に向けてさらに穏やかさが増してきたため、飛来するのではないかという期待があり
ました。しかし、結果的には、ノルウェー人同行者を乗せた航空機は
、経由地のベルギーのプリンセスエリザベス基地までは午後後半に到
達したものの、この日に私達のところへ飛来するのはパイロットによ
る判断で中止となりました。航空機の移動範囲は広く経路の気象状況
も重要であるため、各離発着地点や経由地の気象条件が整わない限りフライトは
困難になります。MD180まで来て、標高は約2800メートル。夜の気温は
マイナス30℃を下回るようになってきました。
11/24, 11/25降雪をともなう高い地吹雪で荒天のため、フライトはこれらの二日
間も無しとなりました。筆者が寝起きする雪上車で、起床時の車外
の気温は-30℃、車内は -10℃になっていました。特に寒さを実感した日々でした。冷たい風は車両の内外の熱を急速に奪っていきます。
車内の水は凍り、起床後にます触るものは全て -10℃。まるで国立極地研究所の低温室の温度設定のようです。コンロの設置に手間取り、
触るものはとにかく冷たい。前日の夜に火をつける直前のところまで
しっかり準備しておけばよかったとつくづく思ったものでした。前日か
ら、航空機のフライト実施には適さない天候が予報されていましたが、
それが的中していました。この機会に、写真を整理したり、対応が遅
れ気味になっていたブログの原稿を作成し国内へ送りました。雪上車
の移動が多いときには、早朝から夕刻まで作業が続き、なかなかデス
ク
ワークに対応する時間を見つけるのが難しいのです。
結果的には、フライトを実現できる天候状況の出現と同行者の到着
を待つために、この地点に11/23夕刻から11/27朝まで滞在
することとなりました。こうしたときには「待ち」が基本です。そして、フラ
イトは翌11/26に実現します(!)。
写真1: 地吹雪で埋まり気味の橇(11/25 川村撮影)
写真2: 地吹雪で埋まり気味の雪上車列。1つの雪上車から隣の雪上車への移動には、吹きだまりの上をのぼったり下ったりすることに
なります。
油断すると転倒しかねません。眼をしっかりあけて地表の
起伏をみるには、ゴーグル着用が必要です。(11/25 川村撮影)
藤田記