南極観測隊便り 2018 - 2019


2018/12/05

中継拠点へ 11/27 - 11/29

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
11/27 - 11/29の3日間をかけて、MD180を出発し、みずほ基地とドームふじの中間点である「中継拠点」(MD364)に向かいました。

ノルウェーからの同行者、BriceさんとJCさんは、移動時の車両としては、全部で6台ある車両のうち、SM100型雪上車の1台「115」号車に、津滝、藤田と共に搭乗し、4人搭乗体制でドームふじに向かいます。皆物理系の研究者なので、研究の話や打合せを折々しながら移動できるメリットをとりました。就寝時はまた別な体制をとっています。ノルウェー極地研究所に所属する同行者なのですが、そのご出身の国は、それぞれ、ベルギーとフランスです。このため、この車両の中の会話では、英語、日本語、フランス語が飛び交います。時には言語教え合いの様相にもなります。英語はともかく、日本の観測隊のなかでフランス語が飛び交う状況は、筆者の記憶にはありません。JCさんは、フランス隊でデュモンデュルビル基地からドームCへの内陸旅行にも参加経験があるため、日本隊とフランス隊の内陸トラバースを比較してのコメントは参考になります。そうしたことはまたいつか書きたいとおもいます。

11/27はMD180→MD230(50km)、翌11/28はMD230→MD302 (72km)、11/29は、MD302 -> 中継拠点(62km)の移動となりました。依然サスツルギ帯は続き、場所によっては巨大なサスツルギを多数眼にしました。往路を急ぐため、06:00朝食、07:00出発として、17:00頃まで走行します。ピステン車のうちの1台(伊藤が操縦)は、先行してピステン道をつくる目的で04:00に早出をします。

日常的なこととして、燃料補給等の作業や造水などの日常作業も、既にノルウェーの方々にも一緒にやっていただいています。Briceさん、津滝、藤田は、レーダ観測の準備の話をはじめています。JCさんは雪の観測を開始しつつあります。

11/29午後中盤に到着した中継拠点では、橇の組み替え、この地点にある各種観測装置(自動気象装置)のメンテナンスを開始しました。気圧は既に650hPaを下回りました。気温は-30℃前後です。風が無く日射が照りつける状況があれば、感じる寒さは大きく軽減されます。

11/29 夕刻の天気状況
風向150度、風速4.2m/s、気温-30.1℃、気圧636.3hPa、天気:快晴、雲量0、視程30km


 
写真1:食堂に使用している車両では、人数が12人に増えたために食卓が2つに分けられました。こちらは、車両前側に着席し食事をとる人々。左から、Brice、山田、川村、JC、藤田、他(岡田撮影)


写真2:こちらは、車両後ろ側の食卓で食事をとる人々。左から、金子、伊藤、高村。テーブルは、昭和基地越冬隊の建築担当の方が作成下さいました。(岡田撮影)


写真3:MD180から中継拠点に向かうなかで、移動路に頻出する巨大なサスツルギの連鎖。ルートはこれを延々と乗り越えてすすんでいきます。(岡田撮影)


写真4:中継拠点に到着後、無人気象観測装置のメンテナンス作業を行いました。(岡田撮影)


写真5:ノルウェー極地研究所のJCさんは、移動開始の2日目(11/28)には積雪の断面観測をキャンプ地で開始しました。(岡田撮影

藤田記
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