南極観測隊便り 2017/2018


2017/11/21

ブリザード停滞(11月21日、停滞5日目)

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こんにちは、医療隊員の宮岡です。ブリザード停滞も5日を超えました。

ブリザードと聞くと、凍える寒さの中での作業を思い浮かべますが、支給される服を着用すればブリザード中の外作業でもそんなに寒くはありません。さらに、南極で使用されている雪上車はうまくできており、エンジンの排熱を利用して車内を暖めていて、外は-15℃前後なのですが車内は20℃を超えて逆に暑いぐらいです。エンジンがかかっている間は半袖になっています。

また、バケツにいれた雪も車内に入れて温めて水にしています。バケツの水があまりにも熱かったので温度を計測してみると52度もありました。これはもう水ではなくお湯です。飲料水や調理用の水はもちろんの事、少し雪をいれてシャワーにして使っています。

ブリザードという事は、低気圧が近くにいるという事で当然気圧が下がります。11月20日現在で770hPa前後らしいのですが、気象の専門家ではない私にとってピンと来ません。お菓子の袋をみてパンパンに膨れていたら気圧が下がっているのだな、と判断しています。ただ、このお菓子は数名の胃袋に収納されてしまい、判断材料ではなくなってしまいました。

朝食及びミーティング・各種作業後は、本来であれば雪上車による移動になりますが、ブリザード中は自由時間になりますので、今後のルート調整を行う人、観測の整理を行う人、仮眠をとる人、ブリザードの中で聴くにはぴったりな松任谷由実さんの名曲を聴く人等様々です。その中で、私は『かんから三線(缶でできている)』という琉球の三線を南極に持ち込みましたので、それを組み立てて練習しています。一曲ぐらいは弾けるようになりたいです。あと、ダイエットもしたいので筋トレもしています。ダンベルはないので、お湯をいれた水筒をダンベルがわりにしてトレーニングしてみました。



 決して自由時間を謳歌しているだけではなく、極めて軽傷ではありますが外傷の治療を行ったり、南極で行う医学研究の調整をしたりしています。さらに機械隊員小林さん主導のラジオ体操をはりきって参加しています。ブリザードではないときの画像ですが360℃カメラで撮影してみました。


ブリザード停滞、略して『ブリ停滞』。ブリブリ言っているので美味しいブリが食べたくなっている今日この頃です。
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