南極観測隊便り 2018 - 2019


2019/01/15

ドーム隊員の休日

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
連続投稿します。大気観測担当の栗田です。今日はドーム隊員の休日についてお話しします。その前に、「前回の投稿で“休日はない“と書いてあったのに矛盾している」と思われる読者も多いと思いますので、少し補足説明します。前回のべた休日とは、 “事前に決まっている休日がない”という意味です。

ドーム旅行隊には、隊員が主導して行う観測研究に加えて、国内にいる研究者から委託された試料採取や機器メンテナンスなど数多くのミッションが課せられています。筆者(栗田)が担当している仕事(観測研究)も細かい仕事を含めると10項目あります。これらの仕事を限られた期間内に実施しなければなりませんので、必然的に休日は取りづらくなります。今年のお正月も、午前中は休養となりましたが、午後からは全員で観測機器のメンテナンスや出発前準備を行い、翌日からは通常営業となりました。

ではいつ休日となるかというと、悪天等で移動できず停滞となった場合です。数週間かけて沿岸域から内陸域まで移動しますので、晴天だけでなく悪天に遭遇することもあります。今回のドーム旅行では往路と復路あわせて5日間の停滞休日がありました。ただ、この休日ですが、決まるのが当日の早朝であり、外は地吹雪状態で視程も数百メートル以下という状況です。したがって、休日といっても、雪上車内で1日待機となります(雪上車間はライフロープでつながっていますので移動できます)。


ライフロープ

この待機の間、日頃の疲れをとるために睡眠にあてる隊員、読書する隊員、パソコンで映画を鑑賞する隊員など、皆さん自分の時間を満喫しています。個人的な印象では映画鑑賞されている隊員が多い気がします。筆者は、往路では観測データ解析プログラムの作成などに活用しましたが、復路では依頼された仕事も一段落しましたので、本ブログを書く時間に充てさせてもらっています。復路の旅も残りわずかなので停滞せずに早くゴールにたどり着きたいのですが、もし今後も停滞休日がありましたらまた投稿します!


50m先にあるソリ列がはっきり見える


ソリ列が霞んでしか見えない

栗田記
12:13 | 投票する | 投票数(16) | 解説・説明