第44次南極ドームふじ越冬隊週間報告
第6号(3月10日〜3月16日)
天候は、14日までは良好であったが、15日から風が強くなり、16日午前4時30分から13時までC級ブリザードとなり、基地の周りに雪が堆積した。平均気温は-51.1度、最高気温は-42.1度、最低気温は-61.9度、平均気圧は598.6hPaであった。平均風速は4.8m/s、瞬間最大風速は12.0m/sであった。
雪氷観測関連では、今週は以下の観測を継続した。雪面昇華量(蒸発パン法)、降雪・飛雪粒子の粒径および数(SPCによる)、露点温度(バイサラセンサーおよび鏡面式露点計による)、毎日の降雪サンプリング、降雪粒子の顕微鏡観察、上空の降雪粒子分布(シーロメーターによる)。また、36本雪尺、表面積雪サンプリング(新しい雪と比較的古そうな雪をそれぞれ250ccずつ)、表面積雪密度測定を15日(土)に実施した。最近は風向が一定しないことが多いが、昨日から東よりの風に変わったので、基地東側(観測エリア)150m地点で表面積雪サンプリングを実施した。
掘削関連では、ケーシングパイプ抜き作業として、暖めたエタノールを掘削孔に注入した。まだ3m深の積雪がケーシングパイプ周囲で融け残っている。新掘削場の風下側(ドリル作業室から5.3〜6.7mの位置)に除雪作業用のリフターを新規設置した。ウインチ移設作業や9mスリット造成で発生する雪を屋外に出すのに使用する予定。
気象関連では、定常観測のほかに大気混濁度測定を実施した。
宙空関連では、オーロラ観測の準備を実施した。
医学・医療関連では、隊員が計っている体重および脂肪率のデータを整理した。また、基地内の医療関連物品を整理し、一部を屋外デポとした。
設営関連では、車両整備およびスノーモービル庫に燃料搬入用リフターを新規設置した。また、極地研観測協力室から依頼のあった旧掘削場の状況調査(屋根の上の積雪深など)を実施した。なお、3月14日に最低気温-60.5度を記録した。8名の隊員の健康は、特に問題ない。
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