第二期ドームふじ観測計画−チビロゴ

第44次南極ドームふじ越冬隊週間報告48


第50号(1月12日〜1月18日)

 前半(〜15日)は、14日に一時弱い雪が降ったものの、風が弱く晴天が続いた。16日からは雲が拡がりやすく、時おり雪が降った。また、17日から風が次第に強まり、18日は朝からB級ブリザードとなった。B級ブリザードは今越冬2回目。平均気圧605.7hPa、平均気温-30.4℃、平均風速4.6m/s。最高気温-26.4℃、最低気温-43.1℃、瞬間最大風速18.3m/sであった。

 雪氷観測では今週も以下の観測を実施した。雪面昇華量(蒸発パン法、20日まで)、積雪圧密速度(変位計による、12日まで)、露点温度(バイサラセンサー、17日まで)、毎日の降雪サンプリング(17日まで)、顕微鏡による降雪粒子の観察(18日まで)、上空の降雪粒子分布(シーロメーターによる、14日まで)。1月12日、15日には衛星観測と同期させての積雪粒径観測を実施した。ドームふじ観測拠点周辺(サミットおよびDF80)の標高を再測定するために、基地のGPSと同期させて移動GPS観測を実施した(16日)。今週でほとんどの雪氷観測は終了した。

 先週に引き続き、深層掘削システムや周辺設備を調整しながら深層掘削を実施し、16日に終了した。掘削回数は27回で101.90mの氷コアを採取した。1回の掘削で採取する平均コア長は3.77mで1本ものがほとんどである。チップの取りこぼしも殆どない。安定した掘削が出来るようになった。ウインチスピードをシューのピッチに合わせた速度に設定すると3mまでは、そのまま勝手に掘る。3m以降はチップが適当に詰まってくるので、ウインチスピードを落とす。電流値があがってきてドリルモーター回転が遅くなるのでその調整だけで、掘れる。チップも満載である。問題のコアカットも、きれいに切れるようになった。掘削場も広くきれいで、作業環境も、最適である。第1年次深層掘削の総掘削回数は77回で掘削深度は362.31mに達した。掘削期間の後半は順調に1回の掘削で3.7m以上の割れていない高品質の氷コアを採取することが出来、本格掘削を行う来年の第2年次掘削への十分な準備が出来た。なお掘削されたコアは1.5m毎に切断し、コアデポ雪洞のコア棚に収納している。18日には検層装置を掘削孔へ降ろして正常に動作することを確認した。コア現場解析準備関連の作業は一通り終了したので解析装置を屋外と屋内へデポした。

 気象では、定常観測、大気混濁度観測、定期点検の一環として風向データの確認作業(ハンドベアリングコンパスによる)を実施した。医学では、採血(45次隊全員および44次隊の希望者)を実施した。

 設営関連では、発電機の点検、引き継ぎ図面の作成、燃料搬入、機械物品片づけ、屋外デポ物品および基地内物品の在庫調査、食糧整理などを実施した。

 ドームふじを出発する日(23日)が近づき、撤収・梱包作業、45次への引き継ぎ関連作業などで忙しくなってきた。こちれはみな元気で、特に健康に問題のある隊員はいない。なお、「ドームふじ観測拠点週間報告」は今回の50号を持って終了させていただきます。今後の予定を以下に書いておきます。

 1月19日〜22日:物品梱包、基地閉鎖作業(ドームふじへのメイル、電話、FAXは、22日午後1時20分以降つながらなくなりますのでご注意ください)
 23日〜2月8日:ドームふじからS16までの帰還旅行(1月30日から最長2月4日まで第2航空拠点に滞在し、45次航空隊の空路での帰還を支援)
 2月8日頃: 昭和へ移動(44次隊)
 2月13日頃: しらせへ移動(44次隊)
 3月27日:シドニーから空路にて帰国(44次隊)
(文責:亀田貴雄、本山秀明)



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