第二期ドームふじ観測計画−チビロゴ

第44次南極ドームふじ越冬隊週間報告48


第49号(1月5日〜1月11日)

 週の前半(5〜8日)は薄雲が拡がり、一時的に雪が降った。後半(9〜11日)は風も弱く、快晴の穏やかな天候が続いた。平均気圧604.0hPa、平均気温-33.1℃、平均風速3.7m/s。最高気温-25.1℃、最低気温-42.4℃、最大瞬間風速7.4m/sであった

 雪氷観測では今週も以下の観測を実施した。雪面昇華量(蒸発パン法)、積雪圧密速度(変位計による)、飛雪粒子の粒径および数(SPCによる、1月8日まで)、露点温度(バイサラセンサー)、毎日の降雪サンプリング、顕微鏡による降雪粒子の観察、上空の降雪粒子分布(シーロメーターによる)。1月5日、8日には衛星観測と同期させての積雪粒径観測を実施した。ドームふじ観測拠点周辺(サミットおよびDF72〜DF80)の標高を調べるために、基地のGPSと同期させて移動GPS観測を実施した(7日〜10日、雪上車の屋根にGPSアンテナを設置)。また、38次の浅層掘削孔(130m深)を利用して、浅層ドリルにより132.5m深の火山灰層を採取しようと試みたが、浅層用ウインチが不調なため断念した(5〜6日)。宇宙塵採取を目的として、DF80にて表面積雪を採取した(8日)。

 先週に引き続き、深層掘削システムや周辺設備を調整しながら、深層掘削を実施した。掘削回数は25回で90.45mの氷コアを採取した。1回の掘削で採取する平均コア長は3.6mで1本ものがほとんどである。1/80の減速機を組み込み切削ピッチに合わせたウインチ繰り出しスピードにセットすると、おおむね3m深までは安定して掘進する。そのあとは切削チップの輸送・充填が困難になり、時間がかかる。明瞭な火山灰層を220.440-220.445 に確認した。来シーズンの本格掘削に向けての最適掘削条件を見出す(掘削マニュアル作成)のに来週いっぱい時間をかける。掘削されたコアは1.5m毎に切断し、コアデポ雪洞のコア棚に収納している。

 コア現場解析準備関連の作業は一通り終了した。ロボットモジュールコントローラーの件については、国内と連絡を取りながら点検した。その結果、航空機あるいは「しらせ」にて国内へ持ち帰る物品を決定した。

 気象では、定常観測と大気混濁度観測を実施した。医学では、体力測定を実施した。  設営関連では、機械物品片づけなどを実施した。

 こちらは、ドームふじを出発する日(23日)が近づき、最後の観測や撤収作業などで忙しくなってきた。こちれはみな元気で、特に健康に問題のある隊員はいない。

(文責:亀田貴雄、本山秀明)



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