第47号(12月22日〜12月28日)
23日と27〜28日は雲が拡がったほかはおおむね晴れ。週の後半は風が強まり、27〜28日は地吹雪模様となった。平均気圧613.0hPa、平均気温-31.1℃、平均風速5.7m/s。また、最高気温-25.6℃、最低気温-38.4℃、最大瞬間風速11.9m/sであった。雪氷観測では今週も以下の観測を実施した。雪面昇華量(蒸発パン法)、積雪圧密速度(変位計による)、飛雪粒子の粒径および数(SPCによる)、露点温度(バイサラセンサー)、毎日の降雪サンプリング、顕微鏡による降雪粒子の観察、上空の降雪粒子分布(シーロメーターによる)。22日、25日には衛星観測と同期させての積雪粒径観測を実施した。26日は、40cm深のピット観測を実施した。また、22日には、サミット(仮称)に再び行き(亀田、藤田耕史)、GPS装置を回収した。その帰路は、26次隊設置のDFルートを通りDF72からDF79までの雪尺測定を実施した。また、DF75にてウイルドT2を使い、水平線測量を実施した。
深層掘削準備作業としては、チップ回収機の整備、ドリルコンピュータの調整を行なった。深層ドリル2号機に1号機のモーター・減速機(1/50)を組み込んで接地圧、傾斜計、加速度計の調整を行なった。23日に掘削孔に深層ドリルを入れてみたが、ほとんど0.1度以内の傾斜で孔底まで問題なくドリルが昇降することを確認した。なお、掘削深度は34次雪面基準とする。42次隊の孔底は121.4m深であるが、その上に10m以上の掘削チップが詰まっているので、深層ドリルでチップ回収を行った。最初はドライ掘削したところ、チップとともに三日月型の氷コアが採取された。42次掘削孔と並行して新たな掘削孔が出来た。24日から掘削孔に液封液を注入してチップ回収を行った。
25日14:15に長さ1.3mの氷コアを採取したところ、42次隊の掘削した形跡を記し、それに続く丸い氷コアが地上に採取され、深層掘削開始となった。チップ回収ランを組み込み、ドリルを調整しながら、27日までに9回の掘削を行い、約10mの氷コアを採取し131.3mまで掘り進んだ。27日には1回の掘削で2.68m長の氷コアを採取した。コア現場解析準備作業としては、現場処理システムのうち、水平バンドソー2台について氷柱の試し切りを行い、問題なく動作することを確認した。光学層位装置について組み立て調整を行った。氷柱を対象にしてスキャン画像のコンピュータへの取込み、デジタルビデオによる録画・再生等、全て問題なく動作することを確認した。コア一次貯蔵用の雪洞拡張工事を行なった新コア貯蔵庫(旧ブチル庫)にコア棚を4組設置した。ここと第1期造成のコア一時貯蔵庫とあわせて、860m分のコア(全て1.5m長の場合)を収納できる体制となった。
気象では、定常観測と大気混濁度観測を実施した。宙空では磁力計センサーおよびコントローラーの試験を実施した。
設営関連では、発電棟および北出口での換気扇設置、南出口の改修、掘削コントロール室での棚作り、居住区画と掘削場とをつなぐ配線の整理、雪上車および橇の整備、スチームドリルの梱包などを実施した。
こちらはみな元気で特に健康に問題のある隊員はいない。(文責:亀田貴雄、本山秀明)