第45号(12月8日〜12月14日)
前半(8〜11日)はおおむね晴天であったものの一時雪が降った。後半(12〜14日)は薄雲が拡がり、時折雪が降った。また、風がやや強く、14日は地吹雪となった。平均気圧616.6hPa、平均気温-32.8℃、平均風速 4.9m/s。最高気温-25.1℃、最低気温-43.0℃、瞬間最大風速11.7m/s。雪氷観測では今週も以下の観測を実施した。雪面昇華量(蒸発パン法)、積雪圧密速度(変位計による)、飛雪粒子の粒径および数(SPCによる)、露点温度(バイサラセンサー)、毎日の降雪サンプリング、顕微鏡による降雪粒子の観察、上空の降雪粒子分布(シーロメーターによる)。8日、11日には衛星観測と同期させての積雪粒径観測を実施した。11日には、今年の1月にドームふじに設置した無人気象観測装置(気温3台、風向・風速1台)からデータを回収し、12日に装置を再設置した。自然通風シェルター(2台)およびソーラーパネル付きシェルターで測定した気温は3台ともにデータが完全に記録できていたが、風向・風速は7月中旬までしかデータが記録できていなかった。低温によるロガーの停止が原因である。
深層掘削準備作業としては、44次隊実施の作業を引き継ぎ、以下を実施した。ドリル作業室、新掘削場、新コントロール室の整備、44次搬入深層掘削機器・コア現場解析関連物資の整理、基地搬入、深層ドリル(1号機、2号機)のチェック、深層ウインチケーブルチェック、ドリル・ウインチ制御関係チェック、周辺設備(液封液配管、エアー配管、コア処理台、換気管、液封液24本など)の準備。コア現場解析準備作業としては、水平バンドソーの動作チェックを実施した。また、コア一次貯蔵用の雪洞拡張工事のため、雪洞天井部のコアをハンドオーガーで採取した。
気象では、定常観測と大気混濁度観測を実施した。宙空では無人磁力計からのデータ回収および再設置作業を実施した。医学では隊員の動脈採血を実施した。
設営関連では、3号発電機の500時間点検、雪上車の整備、火災報知器点検、屋外デポ物品の整理、帰路の食糧整理などを実施した。
45次隊員も含め、こちらはみな元気で特に健康に問題のある隊員はいない。また、ノボラザラレフスカヤ基地に滞在している古川氏(極地研)は、ロシアの食事に若干苦労しているようだが、元気との連絡を受けている。(文責:亀田貴雄、本山秀明)