第44号(12月1日〜12月37日)
今週は、ときおり薄雲が拡がったもののおおむね晴れの天気が続いた。2〜4日にはかけてやや風が強まり、弱い地吹雪を伴った。平均気圧608.5hPa、平均気温-37.5℃、平均風速5.9m/s。また、最高気温-29.7℃、最低気温-46.3℃、最大瞬間風速12.5m/sであった。雪氷観測では今週も以下の観測を実施した。雪面昇華量(蒸発パン法)、積雪圧密速度(変位計による)、飛雪粒子の粒径数(SPCによる)、露点温度(バイサラセンサー)、毎日の降雪サンプリング、顕微鏡による降雪粒子の観察、上空の降雪粒子分布(シーロメーターによる)。1日、4日には衛星観測と同期させての積雪粒径観測を実施した。
深層掘削準備関連作業としては、マストの調整および深層ドリルのケーシングパイプ内の通過実験、ブチルドラム12本の橇への積み込み、新掘削場内およびドリル作業室内の整理などを実施した。マスト調整の後、ドリルを112.01mの掘削孔の底まで入れた。懸案だったケーシングパイプ末端でひっかかることなく、ドリルはスムーズに入り、またスムーズに引き上げることができた。なお、掘削孔は97.30mまではリーマーで拡幅してあるので、拡幅していない深さは、14.71m長(=112.01-97.30m)であることがわかった。深層ド リルは刃先からアンチトルクまで11.8mなので、深層ドリルの掘削には支障がないことがわかった。また、ケーシングパイプ設置時には深層孔の底は113.34mだったので、10mピット造成時に1.33m分の雪が入り、孔が浅くなったと考えられる。なお、拡幅工事のためのコア解析室内およびコア貯蔵庫への送風を続した。
また、5日午後3時10分に45次出迎え隊(3名:大日方、栗崎、中野)と45次航空隊5名(本山、吉本、田中、鈴木利孝、宮原)が雪上車2台でドームふじに到着した。45次隊員全員元気であった。到着後、45次隊の5名の方々には風呂に入ってもらい、午後6時15分から歓迎パーティを開いた。また、翌日の6日には45次隊員を新掘削場内やデポ棚に案内し、今後の深層掘削準備作業について打ち合わせをした。
気象では、定常観測と大気混濁度観測を実施した。
設営関連では、燃料ドラムの輸送、45次隊が宿泊する夏宿の周囲の除雪や内部の整理、帰路の食糧準備などを実施した。
なお、亀田のぎっくり腰も良くなり、45次隊員も含めて特に健康に問題のある隊員はいない。(文責:亀田貴雄)