第二期ドームふじ観測計画−チビロゴ

第44次南極ドームふじ越冬隊週間報告


第41号(11月10日〜11月16日)

  10〜11日にかけてと12日には雪が降ったが、その他の日は快晴が続いた。平均気圧594.5 hPa、平均気温-48.9℃、平均風速4.4m/s。最高気温-39.1℃、最低気温-57.1℃、最大瞬間風速9.3m/sであった。

 雪氷観測では今週も以下の観測を実施した。雪面昇華量(蒸発パン法)、積雪圧密速度(変位計による)、 飛雪粒子の粒径数(SPCによる)、露点温度(バイサラセンサー)、毎日の降雪サンプリング、顕微鏡による 降雪粒子の観察、上空の降雪粒子分布(シーロメーターによる)。10日、13日には衛星観測と同期させての積雪粒径観測を実施した。14日には36本雪尺測定、表面積雪サンプリング(250ccx2本)、表面積雪密度測定を実施した。

 深層掘削準備関連作業としては、3400mケーブルドラムの新掘削場への搬入および同ドラムのケーブル巻き換え機への固定、ケーブル巻き取り作業の準備、ケーブルをドラム端から出した)、ロードセルおよびロータリーエンコーダーの配線、エアコンプレッサーおよびブチル洗浄配管ポンプ用の暖房用箱作り、新掘削場高屋根部での小型ウインチの設置、新掘削場東側のリフター設置、雪洞拡幅のための雪硬度測定(ラムゾンデを使用)などを実施した。ウインチドラムは、予定どおりヒアブを使って新掘削場につり下げて搬入した。作業自体には特に問題はなかったが、作業中にアウトリガー部の油圧ホースに亀裂が入り、作動油が漏れだした。この状況について、こちらから公電で観測協力室、45次設営主任、45次雪氷隊員に連絡した。
 また、深層ウインチの回転制御ができない問題は、ウインチコントロール盤に配線間違いがあることがわか り、回転速度を正常に制御できるようになった(先週お伝えしたモーター部での配線間違いに加えて、さらに 制御盤で配線間違いがあったということ)。ケーブル巻き取り準備としては、37次隊のケーブル巻き取り作業と同様に、手でウインチドラムに10巻きケーブルを巻き付け、ケーブル端をドラムの中心から外に出した。ディスクブレーキのみを使った状態で試しにケーブルを巻き取ったところ、張力300kgf程度までかけることが可能であった。来週、ケーブルを巻き取る場合には、ケーブル巻き換え機のベルトブレーキを併用して、500〜800kgf程度でケーブルを巻き取る予定。雪洞拡張部と自然積雪の硬度測定については、データを国内へ送り、今後雪洞拡張作業を実施するかどうか検討する予定。

 気象では、定常観測と大気混濁度観測を実施した。医学では隊員4名の24時間採血(2時間毎)を実施した。

 設営関連では、雪上車の整備作業、屋外デポ物品の整理、45次出迎え旅行の準備(そりへの物資積み込み、旅行ルートのGPS入力、食糧)などを実施した。

 なお、亀田は11日に突然ぎっくり腰になった。新掘削場にて、ウインチ操作盤本体のフタを開けようと、中腰で体を少し右にひねった結果であった。それ以降、腰の痛めが治まらないので、あまり体を動かさないようにしている。他の隊員はみな元気で、特に健康に問題のある隊員はいない。(文責:亀田貴雄)



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