第二期ドームふじ観測計画−チビロゴ

第44次南極ドームふじ越冬隊週間報告


第36号(10月6日〜10月12日)

 6日に弱い雪がちらつき、11日に薄雲が拡がったほかは快晴の日が続いた。風が弱く穏 やかであったが、気温はやや低い状態が続いている。平均気圧584.3hPa、平均気温-63.8 ℃、平均風速5.0m/s。また、最高気温-54.7℃、最低気温-76.2℃、瞬間最大風速9.3m/s。  雪氷観測では今週も以下の観測を実施した。雪面昇華量(蒸発パン法)、積雪圧密速度 (変位計による)、飛雪粒子の粒径数(SPCによる)、露点温度(バイサラセンサー)、 毎日の降雪サンプリング、顕微鏡による降雪粒子の観察、上空の降雪粒子分布(シーロメ ーターによる)。10月7、11日には、衛星観測と同期させての積雪粒径観測、10月8日には 、ゾンデ観測用気球のテストを実施した。

 深層掘削準備関連作業としては、新掘削場風上側(東側)のリフター用およびケーブル 巻き替え機用雪洞掘り、新掘削場内の机造作、マスト用門型のかさ上げのための架台作成 (L型アングルの溶接)などを実施した。風上側の2つの雪洞は10月10日、机は10月11日に にそれぞれ完成した。今後、風下側からの物品搬入が終了したら、現在風下側についてい るリフターを風上側に移設する予定(45次航空隊到着後を予定)。

 気象では、定常観測および大気混濁度観測を実施した。医学では、体力測定(肺活量、 握力、皮下脂肪、腕および足の太さ)を実施した。

 設営関連では、雪上車の立ち上げ作業(SM102、SM103、107、108)、トイレ(パクト) の修理などを実施した。今週までの作業で、ドームふじにある5台の雪上車のエンジンが すべて始動したことになる。また、3台の雪上車では窓ガラスにひびが入っていることが わかった(SM107は両ドア、108はプレウォーマー上と制御盤上の小窓とリアガラス、112 はフロントガラス)。ひびは窓の外側と内側に入っており、原因はよくわからないが、低 温や日射による車内・車外の温度差の可能性が高い。この件、公電で極地研観測協力室に 連絡をした。

 こちらはみな元気で、特に健康に問題のある隊員はいない。なお、亀田の使っていたノ ートパソコンが10月9日夜にカリカリとハードディスクが擦れるような音がして、動作が 急に不安定になった。これまでのドームふじで不調になったノートパソコンと同じ症状。 幸い、データは外付けHDにバックアップを取っていたので実質的な被害はなかったが、こ れまで観測で使用していた古いパソコン(Win98)を転用するための設定やデータバック アップなどで丸1日かかってしまった。(文責:亀田貴雄)



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