第35号(9月29日〜10月5日)
30日に風が強まり、夕方から翌1日未明にかけてC級ブリザードとなった(今越冬11回 目)。2日まで地吹雪模様の天候であったが、3日以降は風もおさまり、晴または快晴が続 いた。平均気圧598.7hPa、平均気温-61.3℃、平均風速6.7m/s。最高気温-52.0℃、最低気 温-70.3℃、最大瞬間風速13.2m/s。雪氷観測では今週も以下の観測を実施した。雪面昇華量(蒸発パン法)、積雪圧密速度 (変位計による)、飛雪粒子の粒径数(SPCによる)、露点温度(バイサラセンサー)、 毎日の降雪サンプリング、顕微鏡による降雪粒子の観察、上空の降雪粒子分布(シーロメ ーターによる)。29日および10月2日には、衛星観測と同期させて、表面から40cm深まで の積雪観測(粒径測定)を実施した。30日には、36本雪尺測定、表面積雪サンプリング( 250ccx2本)、表面積雪密度測定を実施した。
深層掘削準備関連作業としては、マストの組み立て、液封液受け皿の取り付け、机造作 、ブチル用配管の設置、新掘削場風上側(東側)のリフター用雪洞掘りなどを実施した。 新掘削場の状況を添付写真で示す。これまで、マストの上げ下ろしには43次で持ち込んだ 発電機用の小型門型を使う予定であったが、この門型の高さが足りないことわかった。今 後、この門型の脚部にL型アングルを溶接して、かさ上げする予定。また、風上側のリフ ター用雪洞(幅1.8m、高さ2m)では、新掘削場の東壁から2m掘り進んだが、そこでドリ ル作業室の北側斜抗(東側)の壁面保持用と思われる木製の壁が出現した。来週以降、こ の壁を切断して、さらにあと2m掘り進む予定。
コア解析の準備としては、先週は机の水平化作業を実施したが、国内での方針変更に伴 い、今週の作業は一時中断とした。
気象では、定常観測および大気混濁度観測を実施した。宙空では、最後のオーロラ観測 を9月29日に実施した。
設営関連では、雪上車の立ち上げ作業(SM112、SM103)、発電機500時間点検、新掘削 場のリフター修理などを実施した。SM112はエンジンも始動し、5ヶ月ぶりにドームふじで 雪上車が動いた。
こちらはみな元気で、特に健康に問題のある隊員はいない。(文責:亀田貴雄)