第二期ドームふじ観測計画−チビロゴ

第44次南極ドームふじ越冬隊週間報告


第29号(8月18日〜8月24日)

 今週は時折薄雲が広がったものの、概ね晴れの天気が続いた。23日から24日にかけては 風がやや強く弱い地吹雪を伴った。平均気圧594.3hPa、平均気温-64.4℃、平均風速7.1m/ s。また、最高気温-56.0℃、最低気温-70.8℃、瞬間最大風速11.9m/s。

 雪氷観測では今週も以下の観測を実施した。雪面昇華量(蒸発パン法)、積雪圧密速度( 変位計による)、飛雪粒子の粒径数(SPCによる)、露点温度(バイサラセンサー)、毎 日の降雪サンプリング、顕微鏡による降雪粒子の観察、上空の降雪粒子分布(シーロメー ターによる)。

 深層掘削準備関連作業としては、15日から開始したマスト起倒用10mピットの造成を継 続した。作業は3人から6人で行い、18日、19日、20日(午後のみ1時間)、21日、22日( 午後のみ30分)に実施した。作業は、1〜3名がピット下部にてスコップで掘削し、コン テナに雪を入れ、1名がウインチを操作してこのコンテナをつり上げ、1〜2名が屋外へ の雪棄て作業、という感じで実施した(なお、23日は風が強く、屋外への雪棄て作業がで きないため作業中止とした)。おおよそ5日間作業したが、ピット全体にわたってほぼ3. 7m深まで進んだ。なお、この10mピットの端はマスト回転軸から10mの位置になる予定 であったが、ピット基本設計図(亀田作成、2003年7月13日付け)に間違いあり、それを 修正するためにマスト回転軸から10.41mの位置から掘り始めた。なお、この件は国内に 問い合わせをして、了承してもらった。また、新掘削場での換気設備設置のため、新掘削 コントロール室の両側50cmを開削して、整備した(この部分は43次隊が開削して、コント ロール室天井部の雪面にベニヤが敷いてあった)。

 気象では、定常観測を実施した。宙空では、オーロラ観測を実施した。
 設営関連では、発電機500時間点検、ボイラーの修理、ドラム缶風呂の修理などを実施 した。

 8月18日の昼過ぎには3ヶ月半ぶりに太陽を視認した。皆で太陽と記念写真を撮影した。 太陽高度が結構高くなっていたので、前日の17日には太陽が見えていたと思われる。また 、23日には、NHK教育の「科学大好き土よう塾」の収録が東京、昭和、ドームふじを結ん で行われた。東京と昭和は通常収録、東京とドームふじは電話での収録となった。この収 録は亀田が対応し、深層掘削からわかる事と現在の状況を説明した。これは9月6日(土) 9:15〜10:00に放映される予定である。NHKによるとドームふじからの音声がテレビ放映さ れるには初めではないかとの事であった。こちらはみな元気で、特に健康に問題のある隊 員はいない。(文責:亀田貴雄)



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