第二期ドームふじ観測計画−チビロゴ

第44次南極ドームふじ越冬隊週間報告


第15号(5月19日〜5月25日)

 今週は、風がやや強い日が多かった。気温は大きな変動はなく、-60℃台で推移した。平均気圧598.2hPa、平均気温-66.1℃、平均風速7.9m/s、最高気温−58.1℃、最低気温−70.8℃、最大瞬間風速11.1m/s。

 雪氷観測では今週も以下の観測を継続した。雪面昇華量(蒸発パン法)、積雪圧密速度(変位計による)、飛雪粒子の粒径数(SPCによる)、露点温度(バイサラセンサー)、毎日の降雪サンプリング、顕微鏡による降雪粒子の観察、上空の降雪粒子分布(シーロメーターによる)。
 深層掘削準備関連では、ウインチ移設準備として、旧掘削場に設置されている深層用ウインチの残りケーブルを繰り出し、ドラム缶に入れて屋外に搬出した。また、旧掘削コントロール室とウインチ間の配線を取り外した。旧掘削場と新掘削場の間に柱を2本立て、ウインチ移設用の通路造成作業を開始した。この状況を添付写真で示す。写真の左端と右側(階段に隣)に新設した2本の柱を示す(柱は高橋暁隊員が製作。写真右端はドリル作業室、手前の丸いものは深層用ウインチのドラム)。この部分は旧掘削場屋根と通路用屋根の境目であり、天井部には道板などが渡してあり、それを地上から単管で支えている状況であったが、ウインチ移設用の通路造成に支障があるので、添付写真のように施工した。今後は、写真の真ん中に見えている雪を取り除き、ウインチ移設用のスロープを造る予定。
image  気象では、定常観測を実施した。宙空では、オーロラ観測を実施した。
 設営関連では、新掘削場の配線方法の検討および毎日の電力・水・燃料消費量などのデータ整理などを実施した。
 谷口氏の腰痛および藤田氏の背中のしびれはかなり回復してきた。それ以外には特に健康に問題のある隊員はいない。
 23日には3回目の南極ドームふじ大学を開催した。講師は藤田耕史氏。演題は「My Favorite climb」。岩壁を登るクライミングの話。なお、1回目は5月9日、講師・中野啓氏(静岡大学工学部)「紙芝居・星座の話」、2回目は、5月16日、講師・栗崎高士氏(いすゞ自動車)「見れば納得ディーゼルエンジン」。




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