第二期ドームふじ観測計画−チビロゴ

第44次南極ドームふじ越冬隊週間報告


第13号(4月28日〜5月4日)

 天候は、ほとんど雲がなく快晴が続いたが、風が強く地吹雪を伴う日が多かった。平均気圧 599.3hPa、平均気温-64.8℃、最高気温-52.9℃、最低気温-72.6℃、平均風速7.1m/s、瞬間最大風速10.8m/s(4日)であった。

 雪氷観測では今週も以下の観測を継続した。雪面昇華量(蒸発パン法)、積雪圧密速度(変位計による)、飛雪粒子の粒径数(SPCによる)、露点温度(バイサラセンサー)、毎日の降雪サンプリング、顕微鏡による降雪粒子の観察、上空の降雪粒子分布(シーロメーターによる)。30日には、36本雪尺測定、表面積雪サンプリング、表面積雪密度測定を実施した。
 深層掘削準備関連では、掘削孔にケーシングパイプを挿入した。33本入れる予定だったが、31本目で突然入らなくなった。止まった時のパイプ先端部の深度は92.63m。98.55m(第1リーマーで拡幅した直径179mmと第2リーマーでの211mmとの境界深度)までパイプを入れる予定だったので、約6m上で停止したことになる。今後は、国内関係者と協議の上、今後の方針を決定する予定。 また、ケーシングパイプの中を通して、浅層ドリルを降ろし、ケーシングパイプ先端部(92.63m深)の通過状況を調べたが、ドリルが引っかかるなどの問題はなかった。また、マグライトを浅層ドリルの頂部(砲弾型の上のケーブルに光が上に向くようにマグライトをつけた)につけて降ろし、光の見え方も調べたが、光は常に真円状に見え、ケーシングパイプの内径の範囲内ではパイプは直線になっていることが確認できた。掘削孔底はパイプ挿入以前よりも53cm浅くなっていることがわかった。これは、ケーシングパイプ挿入時にパイプが孔壁の雪を削り落とし、それが堆積したためだと思われる。浅層ドリルを使い、この新たに堆積したチップを回収し、135mm径の孔は100mから112.35mまで確保した。
 気象では、定常観測を実施した。
 設営関連では、掘削コントロール室の電気配線および火災報知器設置、雪上車の修理を実施した。

 腰痛者は2名いるが、それ以外には特に健康に問題のある隊員はいない。



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