第二期ドームふじ観測計画−チビロゴ

第44次南極ドームふじ越冬隊週間報告


第10号(4月7日〜4月13日)

 天候は、12日に風が強くなったが、それ以外は良好の日が続いた。平均気温-60.8度、最高気温-44.9度、最低気温-70.5度であった。平均気圧594.5hPa、平均風速6.8m/s、瞬間最大風速10.2m/sであった。
   雪氷観測では今週も以下の観測を継続した。雪面昇華量(蒸発パン法)、積雪圧密速度(変位計による)、飛雪粒子の粒径数(SPCによる)、露点温度(バイサラセンサー)、毎日の降雪サンプリング、顕微鏡による降雪粒子の観察、上空の降雪粒子分布(シーロメーターによる)。なお、4月10日には気温が-70度を突破したが、この日、直径0.01mm程度の非常に細い針状の霜結晶(Kameda et al., 1999のFig.3と同様)が発生した。それと同時にこの霜結晶が原料となって、雪面を転がる「雪まりも」が観察された。翌日には、雪面の窪みに「雪まりも」が集まっていた。
 掘削関連では、掘削孔の上にコンパネを固定し、新掘削場床面にリーマーおよび浅層ドリル用ウインチを設置し、掘削孔内のチップ回収のため浅層掘削機を掘削孔底まで降ろして掘削を試みた。しかしながら、ドリルは空転するのみでほとんど進まず、チップ回収作業は進まなかった(刃先は、径135mm用の刃およびピッチ5のシューを使用、42次隊と同じ仕様)。今後、刃先やコアキャッチャー、アンチトルクなどの調整をして、チップ回収を試みる予定。
 気象関連では、定常観測を実施した。
 宙空関連では、オーロラ観測を実施した。
 設営関連では、屋外灯設置、浄水フィルターの交換、発電機部品の整理、新掘削場への照明設置準備等を実施した。
 腰痛者が2名いるが、それ以外には、特に健康に問題のある隊員はいない。

文献:Kameda et al.(1999): Observation of "Yukimarimo" on the snow surface of the inland plateau, Antarctic ice sheet, Journal of Glaciology, 45(150), 394-396.



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