アイスコア研究ブログ


2019/04/12

氷の昇華に基づくアイスコアのガスの連続解析

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 1.5M年前のような非常に古い氷の分析では、1メートルの深度区間に1~2万年の年層があり、それを高分解能で解析する必要が生じます。下記は、昇華抽出と、レーザースペクトロスコピーに基づく連続解析の試みです。

deepSLice: A novel multi-species and high-resolution method for trace gas analytics in extremely thinned ice
Bernhard Bereiter (ベルン大)
https://meetingorganizer.copernicus.org/EGU2019/EGU2019-9076.pdf

真空中に棒状の試料(アイスコアサンプルの予備試料)を置き、その1断面を連続的に昇華させて、生じたガスの分析をしていくものです。氷の昇華を促すために赤外光を照射する仕掛けですが、その赤外光のガウス型の分布が氷の表面の昇華形状として出現したり、氷表面が面的ではなくささくれだつような形状で昇華していく、そうしたところに技術的な克服すべき点があることを示していました。
革新を目指す試みに見えました。挑戦しがいがありそうです。


09:14 | コメント(0) | 学会での見聞録など