南極観測隊便り 2018 - 2019


2018/11/29

みずほ基地へ11/20

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
ほぼ3日間続いた悪天傾向の後、11月20日の朝には晴れ間ものぞき視程も改善、天候はだいぶ回復していました。
午前中に、約20km移動し、みずほ基地に到着しました。
基地から約16kmの地点で、双眼鏡を使って、30メートル気象観測タワーを視認できていました。

午後からは当初から予定していた各種作業にとりかかりました。
地横に設置されている101本雪尺列の観測、インターバルカメラや無人気象観測のメンテナンス。
設営系では、帰路に利用する燃料をここにデポ。また、雪上車の整備をおこないました。

キャンプ地は、実際の基地からは約2km離れているIM1と呼ばれる場所です。
夕食をとった後に、全員で基地を訪問しました。

11/20 夕刻の天気状況
風向90度、風速3.9m/s、気温-18.5℃、気圧740.7hPa、天気:晴れ、雲量3、視程2km


写真1:みずほ基地の30メートル気象観測タワー。第20次越冬隊が設置したものです。現在も安定感を保ってそびえています。
基地から16kmまで近づいたところですでに視認できました。



写真2:基地中心部遠景。基地施設は建立間もなく雪に埋まったものです。
飛雪の多い地域に建築物があると、それをおおうように雪がつきます。
結果的に、基地はあたかも雪の丘のようになっています。
南極内陸では、高床式の構造にしない限り、建築物は間もなく埋まる運命にあります。基地を建てなければ、ここに雪の丘は存在しなかったはずです。


 
写真3:みずほ基地の看板。この看板も、雪に埋まることなく何十年も安定感をもって立ち続けています。
木製看板の裏側には、かつてここを訪れた各観測隊員の記念記名が無数にあります。
現在は雪の下に埋まっている基地に降りる入り口は、この看板の後方にあります。



 写真4:赤白ポールの位置は、測量級GPSを用いて氷床流動観測をする基準点です。
この基地は、年間に約20メートル以上の早さでしらせ氷河方向に向かって流動しています。津滝隊員が三脚を立てて、GPSセンサーをここに設置する作業をおこなっているところです。2時間の測位観測をおこないました。後方にみえるのは、101本雪尺列です。



写真5:上と同じ付近の写真です。101本雪尺を背景に、GPS観測点。
二人の隊員(栗田、山田)は、昨年ここに設置したインターバルカメラのメンテナンス作業をおこなっています。


 
写真6:インターバルカメラのメンテナンス。
1年間この地点の雪面状況を繰り返し撮影の画像記録として観測したデータは成功理に回収されました。
作業者は栗田と山田。


写真7:午後後半には、西の空の太陽の両側にハロー(眩日)が出現しました。(撮影:津滝)



 写真8:夕食後、全員で基地の場所を訪れ、基地の看板を囲んで記念撮影をしました。
看板がやや東向きなので、西に太陽があったためやや逆光気味。(撮影:内陸ドーム隊)


 
写真9:IM1でのキャンプ体制。翌日は好天が予報されており、長めに移動することが計画されています。

藤田記
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