11/27 - 11/29の3日間をかけて、MD180を出発し、みずほ基地と
ドームふじの中間点である「中継拠点」(MD364)
に向かいました。
ノルウェーからの同行者、BriceさんとJCさんは、移動時の
車両としては、全部で6台ある車両のうち、SM100型雪上車の
1台「115」号車に、津滝、藤田と共に搭乗し、
4人搭乗体制でドームふじに向かいます。皆物理系の研究者なので
、研究の話や打合せを折々しながら移動できるメリットをとりまし
た。就寝時はまた別な体制をとっています。ノルウェー極地研究所
に所属する同行者なのですが、そのご出身の国は、それぞれ、
ベルギーとフランスです。このため、この車両の中の会話では、
英語、日本語、フランス語が飛び交います。時には言語教え合いの
様相にもなります。英語はともかく、日本の観測隊のなかでフラン
ス語が飛び交う状況は、筆者の記憶にはありません。JCさんは、
フランス隊でデュモンデュルビル基地からドームCへの内陸旅行に
も参加経験があるため、日本隊とフランス隊の内陸トラバースを比
較してのコメントは参考になります。
そうしたことはまたいつか書きたいとおもいます。
11/27はMD180→MD230(50km)、翌11/28
はMD230→MD302 (72km)、11/29は、MD302 -> 中継拠点(62km)の移動となりました。依然サスツルギ帯は続
き、場所によっては巨大なサスツルギを多数眼にしました。往路を
急ぐため、06:00朝食、07:00出発として、17:00頃
まで走行します。ピステン車のうちの1台(伊藤が操縦)は、
先行してピステン道をつくる目的で04:00に早出をします。
日常的なこととして、燃料補給等の作業や造水などの日常作業も、
既にノルウェーの方々にも一緒にやっていただいています。Bri
ceさん、津滝、藤田は、レーダ観測の準備の話をはじめています
。JCさんは雪の観測を開始しつつあります。
11/29午後中盤に到着した中継拠点では、橇の組み替え、この
地点にある各種観測装置(自動気象装置)のメンテナンスを開始し
ました。気圧は既に650hPaを下回りました。気温は-30℃
前後です。風が無く日射が照りつける状況があれば、感じる寒さは
大きく軽減されます。
11/29 夕刻の天気状況
風向150度、風速4.2m/s、気温-30.1℃、気圧636
.3hPa、天気:快晴、雲量0、視程30km
写真1:食堂に使用している車両では、人数が12人に増えたため
に食卓が2つに分けられました。こちらは、車両前側に着席し食事をとる人々。左か
ら、Brice、山田、川村、JC、藤田、他(岡田撮影)
写真2:こちらは、車両後ろ側の食卓で食事をとる人々。左から、
金子、伊藤、高村。テーブルは、昭和基地越冬隊の建築担当の方が
作成下さいました。(岡田撮影)
写真3:MD180から中継拠点に向かうなかで、移動路に頻出する巨大な
サスツルギの連鎖。ルートはこれを延々と乗り越えてすすんでいきます。(岡田撮影)
写真4:中継拠点に到着後、無人気象観測装置のメンテナンス作業を行いま
した。(岡田撮影)
写真5:ノルウェー極地研究所のJCさんは、移動開始の2日目(11/2
8)には積雪の断面観測をキャンプ地で開始しました。(岡田撮影
)
藤田記