南極観測隊便り 2017/2018


2018/01/05

1月4日(木)

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中澤です。正月三箇日が終わり、1月4日からお仕事の方も多いと思います。我々ドーム隊は、お正月もしっかり観測・調査を続けています。1月に入り、観測期間は残すところ1ヶ月となりました。11月の出発前に観測項目のリストをメンバーで確認した際は、約35項目もあるのかと気が重くなりましたが、現在、7~8割程度は終了したと思います。

昨日(1月3日)は、表層(表面から約10 cm深まで)の雪を中ダン30箱分採取する予定でいました。ちなみに、中(ちゅう)ダンとは、南極観測隊で使用されている定形の段ボール箱のうち、中型のものを指します(写真1)。このほか、小型と大型のものがあり、それぞれ小(しょう)ダン・大(だい)ダンと呼んでいます。



さて、この雪ですが、宇宙塵や化学成分の分析に使用する試料になります。ところが昨日は、夏季の南極内陸にしては珍しく風が強く(風速10 m/s以上)、箱も飛ばされる可能性があったので、この作業は延期しました。1つでも早く観測項目を消化して身軽になりたいと思っていたので残念でしたが、安全第一でやっていきます。昨日の午前は強風対策をし、午後はのんびりと過ごすことができました。私は持ってきた映画を1本鑑賞しました。

今朝起きてみると、雪上車の周りにウインドスクープができていました(写真2)。雪上車の近くにある雪の段差がそれです。ウインドスクープは吹きだまりの一種です。吹きだまりとは、飛んできた雪粒(飛雪)が堆積し丘のようになったものです。地表面に凸部や構造物があると、その近くでは風速が減少するため、それらの風上側近傍で飛雪は堆積します。昨日は、写真2の左前方から風が吹いていました。



今朝は、そのほか、太陽の下に山形の光帯も見られました(写真3)。おそらくハローの一種で、下端接弧と呼ばれるものではないかと思います。



キャンプ地:Base Camp 3 (BC3)
気温:-27度(6時半)、-25度(18時半)
風速:4〜7m/s
気圧:614 hPa
本日の行動:レーダー観測、BC2からBC3への移動、掘削孔温度計回収(BC2)、ドームふじ基地での橇デポとコアケース回収


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