前日から続いた悪天のため、終日停滞しました。みずほ基地まであと約20kmの地点Z80です。こうした日には、無理をせず、好天時に歩みを早めることが効率がいいです。荒天をついてノロノロすすむのでは、わずかな前進と引き替えに貴重な燃料を普段通りに消費してしまい、結果的には非効率な側面が
でます。
今回のチームは、6台ある雪上車のうちの1台に、NAS(Network Assisted Storage; ネットワーク上に置いた記録装置)を装備しています。撮影した写真や動画や、運営上必要なファイルをここに集めてWiFi経由で各車で隊員が操作するPCからアクセスします。今回のブログ書きでは、写真を多用できていますが、これはNASの存在が大きいのです。多くの隊員が撮影した写真から選択することができます。この日、PCに向かう余裕ができたため、NASにアクセスし、ブログ書きをすすめました。忙し過ぎて、すぐには手が出なかったのです。S16での一連の出発準備期間の出来事をこの日まとめて投稿しました。
今の時代ならではのハイテクはいろいろあります。GPSを基盤にしたPCナビゲーション、NAS、衛星を活用した通信、食材を短時間に加熱する電子レンジ。
本ブログもそうです。第9次観測隊で、昭和基地から南極点までの往復旅行をおこなった方々がこれをみたらどう思うだろうかという話題が持ち上がりました。
食事は朝昼はブランチ。塩焼きそばを楽しみました(下の写真)。
11/19 夕刻の天気状況
風向80度、風速8.9m/s、気温-13.8℃、気圧736.9hPa、天気:曇り、雲量10、視程0.5km
写真1:外はブリのなか、雪上車内で食事の調理にあたる栗田(敬称略)。メニューは塩焼きそば。
写真2:雪上車内での食事(岡田、高村)
写真3:雪上車内での食事(川村)
写真4:インマルサット衛星回線経由でインターネットから取得した気象情報。
Antarctic Mesoscale Prediction System 略称AMPS。米国の大学が運営するサイトです。この先5日間の天候の推移を読み取ることができます。19日現在、南極みずほ基地近傍は擾乱が入り込み、湿度があがり、降雪がある状況です(緑色の表示)。22日、23日頃に、高気圧帯におおわれ天候が良好になることが読み取れます。その好天時に一気に前進できれば良いなという話題になりました。これも、現代ならではの科学技術のお陰で入手できている情報です。
藤田記