南極観測隊便り 2018 - 2019


2018/12/07

設営、車両隊員のお仕事と付加価値

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida

皆さんこんにちは。伊藤です。

今日は観測系とは違う、私たち設営車両隊員のお仕事を紹介したいと思います。

 

今旅行では車両隊員は3名。オレンジ色の車体SMシリーズの運転&整備担当隊員が1名、PBの運転担当が1名、PBの運転&整備担当が私の計3名です。
実際にはみんなで力を合わせて4台のSM、2台のPBを整備するので区分けは無いものと思ってもいいかもしれません。

車両の運転から始まり、日々の点検、故障時の対応。 これらは最低限の事。

(整備中の写真はカメラを持つ暇も無いので写真が無いことに気が付きました、、、)

 

機械なので当然故障もしますし、日本国内と違い部品も限られています。

それでも出来る限りの事はし、動かすためなら本来やってはいけない事もしなければならない時もあります。
そういった意味で整備方法もまた日本国内とは違うと言えます。

ここで求められるのは技術もそうですが、柔軟な発想を持った頭。

 

ここが壊れた。部品は無い。ならばあそこから移植し、外した部品はまたあそこから外して、、 さらにここはバイパスさせて、、、等々

 

日々の整備とは予防整備とも言われます。 壊れないようにするために行う整備。

これはとても大事な事です。

私は運転中、音楽等はかけないようにしています。 ほんのわずかな音の違い、異音などを聞き逃さないようにするためです。

 

私たち専門家が来ていることで可能になることを提案、実践していき、今までできなかったことをやれて、初めて各個人の付加価値という物が出て来るのかと思います。

更にはそれを次の世代へ引き継いでいく事(実は私はこれが苦手。。。)

見て覚えろ!の時代は終わったんですかね

 

私個人の考えですが、我々設営は観測が出来る(成功する)為にフィールドを整えるのが仕事と思っています。
その名の通り「南極地域観測隊」

出来る限り観測に影響が出ないように、ドーム旅行の場合だと観測者、研究者、物資を速やかに運び、時にはサポート。
設営作業の為に気軽に観測を止めてもらうなど本末転倒。
こんな特殊な環境なので100%それが出来ない事も分かっています。
どうしても!というときは事情を話し止めてもらうことも当然あります。そして一番大事なのは対応力かと思ます。どんな事にもどんな時にも冷静に対処できる対応力。
それこそがその人の付加価値なのかもしれません。 


私に付加価値はあるのでしょうか。 考えると夜も眠れません(笑)


伊藤記

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