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1817年12月29日(旧暦では文化14年11月22日)に、現在の東京都八王子市中心部に雷のような轟音とともに多数の隕石が落下したという記録が、当時の随筆や日記に多く残されています。当時の様子を記した27の古文書を解析した結果、この多数の隕石は、直径約10kmの範囲に、長さ1m程度、重さ60kgのものを含む多くの破片が落下した「隕石雨」だったと考えられており、それらは「八王子隕石」と名付けられました。

消えた八王子隕石

しかし現在は、八王子隕石と思われる小片が国立科学博物館に保存されているのみで、隕石そのものは見つかっていません。しかも、予備研究としてこの小片を分析した結果、別の隕石の破片である可能性もあり、研究のさらなる進展には、複数の八王子隕石のサンプルが必要です。

研究者たちの間では、現代までのわずか200年のあいだに、数10cmの大きさの隕石が風化で消失するとは考えにくく、また、関東平野における200年間での土壌堆積は数mm程度であることを考慮すると、隕石が土壌の中に埋没することはない、つまり、200年前の地表を残す地域に、現在も八王子隕石が残っている可能性が高いと推測されています。

本プロジェクトの目的

そこで「星石プロジェクト」では、古典籍に記載されている情報から隕石の落下起動や飛散領域を推定し、八王子隕石の探索・採集を行います。そして、新たな隕石サンプルが発見された暁には、得られた採集隕石試料の鉱物化学分析結果と古典籍データとを組み合わせることで、日本最大級の隕石雨の全貌を明らかにしていきます。

プロジェクトメンバー

片岡龍峰 国立極地研究所・宙空圏研究グループ 准教授
山本和明 国文学研究資料館・教授
山口 亮  国立極地研究所・准教授
森 融    八王子市こども科学館・職員
米田成一 国立科学博物館・理化学グループ長
白井直樹 首都大学東京・助教
岡崎隆司 九州大学・准教授
宮原ひろ子 武蔵野美術大学・教授
加藤典子  八王子市郷土資料館・学芸員
藤原康徳  日本流星研究会会員