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![]() 英名:Rockhopper penguin 学名:Eudyptes chrysocome 亜種:ヒガシイワトビペンギン(E. c. filholi)、ミナミイワトビペンギン(E. c. chrysocome)、キタイワトビペンギン(E. c. moseleyi)の3亜種が認定されている。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() 体長45〜58cmと中型。メスはオスよりやや小さい。頭と顔が黒く、明るい黄色の細い眉状の帯が上嘴の付け根から1〜2cmのところから、目の上に水平にのび、その先に突きだした黄色い飾り羽がある。頭の形の特徴は、四角張っている角刈りのような外観である。胴体は、背側と緒は暗青灰色で、腹側の羽毛は光沢のある白色である。のどから下が白く黒い顔とはっきり分かれている。フリッパーは背部と同じ色で、裏側は白地に黒い模様がある。嘴はくすんだ橙赤色である。足と足首はピンクで、足の裏は黒い。 ![]() ![]() 南極周辺の島々。繁殖地は、亜南極圏、インド洋、南大西洋南部の温帯の島々にある。南限は、南極収束線以南にあるハード島(南緯53度)、北限は、亜熱帯のトリスタン・ダ・クーニャ諸島(南緯37度)である。 3亜種は、繁殖地域がはっきり分かれている。ミナミイワトビペンギンは、フォークランド諸島とホーン岬で、ヒガシイワトビペンギンは、マリオン島、クロゼ諸島、ケルゲレン諸島、ハード島、マッコーリー島、キャンベル島、オークランド島、アンティポーズ諸島で、キタイワトビペンギンは、トリスタン・ダ・クーニャ諸島、ジョージ島、アムステルダム島、セントポール島で繁殖する。 ![]() 亜南極圏と南極の北部沿岸、浮氷限界よりも北に分布している。繁殖地の周辺の地形は、タサックグラスや他の植生のある周囲を崖で囲まれた平地かゆるやかな傾斜地で、急斜面や崖の途中に営巣することもある。ほとんどの繁殖地は海に近く、上陸に適した場所が多い。 ![]() ![]() 主食は、オキアミなどの小甲殻類である。しかし、より北方に分布しているものは、育雛期の終わりには小魚やイカを採ることが一般的である。採餌行動に関する情報は他のペンギンに比べ乏しく、日中基本的に外洋で採餌するものと思われる。採餌旅行の総行程は、平均で95kmだが、育雛中には300kmに増加すると思われる。餌を採るために100mの深度まで餌を追いかけた例がある。 ![]() 成鳥は、4〜5月から10月に繁殖地を離れ、10〜11月に戻ってくる。大きなコロニーであっても巣の分布密度は高い。1巣の卵数は2個で、11〜12月初旬に産む。抱卵期間は、32〜34日で、雌雄が3回ずつ交代で行う。交代間隔は、長く、第1期(12日間)は雌雄半々、第2期(11日間)はメスが、第3期(14日間)は、オスが抱卵する。抱卵していない方が餌を採りに海へ行く。オスは孵化後24〜26日雛を育てて保護する。その後、メスが雛に給餌する。雛はその後クレイシを形成する。クレイシ形成後の最初の7日間はメスがmその後は雌雄両方で、巣立ちまでの65〜75日間、1〜2日間おきに給餌する。巣立ちは2月になる。1巣から巣立つ雛の平均数は、最大でも1羽を超えない。第一卵が無事孵化し、雛が育つ確率は60〜80%である。成鳥は、雛の巣立ち後繁殖地で換羽する。一夫一妻制だが、他の種に比べてつがいの絆は強く、2年続けて同じつがいをくむ確率は59%である。繁殖開始年齢の詳細は不明だが、4歳以降と遅いものと思われる。 ![]() ![]() 推定繁殖個体数の下限は、368万7600つがいである。ほとんどの個体群、例えばクロゼ諸島とマッコーリー島では、個体数は安定している。しかし、地域によっては危機的状況にある場合もあり、キャンベル島では個体数が減少している。歴史的に、フォークランド諸島とアムステルダム島では、卵は食用、鳥は油を採るために利用されていた。そのため、トリスタン・ダ・クーニャ諸島の本当ではほぼ絶滅状態にある。また、流し網漁がトリスタン・ダ・クーニャ諸島やジョージ島周辺での大量死の原因になっているようだ。 |