和名:メグロシロハラミズナギドリ
英名:White-headed petrel
学名:Pterodroma lessonii
形態
分布
生息環境
餌と採餌行動
繁殖
個体数の現状と保全
形態
体長40-46 cm、体重580-810 g、翼開長109 cm。頭部は白いが目の周辺がパッチ状に黒い。ミズナギドリの仲間で唯一頭部と腹部と尾部が白い。これと対照的に翼の上面は黒い。翼の下面の黒も目立つ。

分布
繁殖地は亜南極の島々である。マッコーリー島、オークランド諸島などのニュージーランド周辺の島々、クローゼ諸島、ケルゲレン諸島など。外洋では南極・亜南極周辺の海域を中心に周極的に広く分布する。

生息環境
繁殖地は亜南極の標高300 m以下の平らな地面もしくは斜面である。繁殖地はタソックなどの草に覆われた場所が多い。繁殖場所をめぐってハイイロミズナギドリとの競合がある。外洋では、繁殖中は南極周辺の海域を利用することが多いが、非繁殖期には亜熱帯海域まで採餌域は広がる。

餌と採餌行動
餌は主にイカ類、甲殻類だが、魚類の記録もある。定量的な調査は行われていない。主に表層ですくい上げる方法によって採餌する。採餌する時間帯は主に夜である。他のミズナギドリ目鳥類に混じってよく見られる。

繁殖
繁殖は10月に始まる。弱いコロニー性を示す。巣は砂地の場所、あるいは小石の混じった場所に穴を掘って作られる。卵を1つ産む。抱卵期間はおよそ58-60日。雛は灰色の羽毛に覆われている。ふ化後2-3日は親が抱雛する。巣立ちまでは102日を要する。

個体数の現状と保全
個体数の総計は10万つがいと推定されるが、地域によっては情報が欠落している。ケルゲレン諸島に多数生息する。マッコーリー島では1979年に約7850つがいが生息していたが、近年個体数は減少している。移入されたネコによる繁殖個体の捕食が個体数減少の主な要因と考えられている。