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![]() 英名:Sooty shearwater 学名:Puffinus griseus ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() 体長40-51 cm、体重650-978 g、翼開長94-109 cm。翼の下面の中心部が暗灰色であるのを除いて、全身黒褐色である。翼は幅が短く潜水にも適応していると言われている。ハシボソミズナギドリとの識別は海上では困難である。 ![]() ![]() 繁殖地は主に南東オーストラリア、ニュージーランドの海岸および周辺の島々、チリ南部、フォークランド諸島である。外洋では繁殖期には繁殖地周辺の海域から南極周辺海域まで幅広く分布する。非繁殖期には赤道を越え、北太平洋や北大西洋で数多く見られる。 ![]() 繁殖地は密生した草に覆われた斜面が多い。繁殖地は海岸近くに多いが、標高1500 mまでの内陸にも見られる。外洋では幅広い水温域に見られる。 ![]() 餌は主に群を作る魚類、イカ類(ツメイカ属、ナンキョクテカギイカ、Loligo)、甲殻類で、季節や場所によってその構成は大きく変化する。魚はイワシ、カラフトシシャモ、サンマなど。非繁殖期のカリフォルニア沖での調査では、餌構成(湿重比)は魚類89.3%、イカ類5.3%、甲殻類4.8%、であった。餌はおもに潜水によって採餌するが、表層ですくい上げる方法も用いる。高い潜水能力を持ち、繁殖期に35個体へ潜水記録計を装着し、それぞれ1-14日間の調査をおこなったところ、最大潜水深度は平均38.7m、最大の個体で67mだったとの報告がある。他のミズナギドリ目鳥類と混じって採餌するのがよく観察される。漁船に集まることも多いがこれらの個体は主に幼鳥である。 ![]() ![]() 10月に繁殖が始まる。強いコロニー性を示す。巣穴で営巣する。380-460 g の卵を1つ産む。抱卵期間はおよそ53-56日でオス・メスは4-9日交代で抱卵する。雛は灰色の羽毛に覆われており、ふ化後2-3日は親が抱雛する。巣立ちまでは86-106日を要する。性成熟するまでは5-9年かかる。 ![]() 個体数の総計は数百万つがいと推定されている。1970-71年にスネアーズ島では275万ペアが繁殖していたと推定されている。ニュージーランド地域で合法的に売買されている唯一のミズナギドリ類である。この地域ではマオリ族の人々により、一年間に25万羽の幼鳥が捕獲され、食料や石鹸、油などとして利用されている。ネコ・ラット・豚・コバネクイナによる捕食も記録されている。北太平洋では流し網への混獲の規模は大きく、ハシボソミズナギドリと本種をあわせた1990年の混獲死亡数は38万羽と推定された。その後、北太平洋での遠洋流し網漁業は海鳥・海獣の混獲を減らすため禁止され現在に至っている。 |