和名:オオフルマカモメ
英名:Southern giant petrel
学名:Macronectes giganteus
形態
分布
生息環境
餌と採餌行動
繁殖
個体数の現状と保全
形態
体長86-99 cm、体重 5 kg(オス)3.8kg(メス)、翼開長 185-205 cm。頭部と胸までは青白いが、体の胸より下の部分は黒い。全身が白い白色型の個体が個体郡中の15%までの割合で生じる。

分布
繁殖地は南極大陸、南極半島域、亜南極の島々、南アメリカまで広く分布している。外洋では南極周辺の海域から亜熱帯海域まで周極的に広く分布する。

生息環境
繁殖地は開けた場所から切り立った崖まで、また草に覆われた場所から岩場まで様々な環境にみられる。採餌場所も海岸から外洋まで様々な場所を利用する。外洋ではパックアイスのみられる南極周辺海域にもみられる。

餌と採餌行動
腐肉食者であり、アザラシ(オットセイ)・ペンギン(イワトビペンギン属、若いキングペンギン)・ミズナギドリ(マダラフルマ、ギンフルマ、ナンキョクフルマ)などの死体を主に食べる。マダラフルマカモメやアホウドリの幼鳥などは殺して食べることもある。また、イカ、オキアミや漁船から捨てられたゴミなども食べる。海上ではおもに表層ですくい上げる方法によって採餌する。サウス・ジョージアのバード島で行われた衛星追跡の調査によると、本種は同所的に生息するキタオオフルマカモメよりも南の海域・島に採餌域を持っていた。オスとメスの間にも採餌域の違いがみられ、メスはオスよりもより島の西側の海域で採餌することが多かった。このような採餌場所の性差はオスメス間での資源の分割利用や、体サイズの性差と関連すると考えられるが、さらに調査が必要とされている。

繁殖
繁殖は10月に始まる。弱いコロニー性を示す。巣は石をあつめて、あるいは草を重ねて作られる。170-270gの卵を1つ産む。抱卵期間はおよそ55-66日でオス・メスは2-12日交代で抱卵する。雛は所々灰色の模様の混じった白い羽毛に覆われている。ふ化後2-3週間は親が抱雛する。巣立ちまでは104-132日を要する。性成熟するまでは6-7年かかる。

個体数の現状と保全
個体数の総計は3万6千つがい、そのうち8700つがいがサウス・オークニー諸島、6200つがいがサウス・シェトランド諸島に生息している。両繁殖地では現在少しずつ個体数は減少している。サウス・ジョージアのバード島に生息する個体の海上での採餌域は、サウス・ジョージア島周辺の延縄漁船の操業海域と大きく重なっていることが明らかとなっており、混獲による死亡の増加が懸念されている。