和名:ハシボソクジラドリ
英名:Slender-billed prion
学名:Pachyptila belcheri
形態
分布
生息環境
餌と採餌行動
繁殖
個体数の現状と保全
形態
体長25〜26cmで、150g。翼開長56cm。全体的な色合いはナンキョククジラドリと類似している。しかし、クジラドリの仲間では最も識別しやすく、嘴が細長く、眼の後ろに黒いラインが入っており、目の上に他の種より長い白い眉がある。また、尾羽の内側中央部に黒い棒状の模様がある。

分布
チリ沖のノワール島、フォークランド諸島、クローゼ諸島、ケルゲレン諸島で繁殖している。

生息環境
海洋性で遠洋性だが、繁殖期間中は沿岸や沖合の浅瀬、湧昇流のある海域で採餌する。繁殖地は、海岸近くで柔らかい土壌もしくは、石の土壌で植生が密でないところに作られる。

餌と採餌行動
餌は、主にヨコエビ類を中心とした甲殻類で占められるが、オキアミ類も含まれる。稀に小魚やイカも食べる。採餌方法は、水面に浮いている餌をつかみ取る。夜間集団で採餌する。

繁殖
繁殖は10月に始まる。あまり密でないコロニーを作る。巣穴に営巣する。一腹卵数は1個で、46〜47日間抱卵する。抱卵交代は4〜9日間隔である。雛は43〜54日間で巣立つ。

個体数の現状と保全
全体的に見ると個体数には、大きな脅威は存在しない。総繁殖個体数は、100万つがい以上と推定されている。最も大きなコロニーとして知られるフォークランドのニュー島は、猫による捕食が問題となっている。また、繁殖地にはネズミも多数いる。現在、移入された捕食者を取り除く活動が行われている。その他、クローゼ諸島におけるエスト島、ケルゲレン諸島の個体群なども猫の捕食の被害に遭っている。現在、他の繁殖地においては個体群サイズ、個体群動態に関する情報が不十分である。