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![]() 英名:Northern giant petrel 学名:Macronectes halli ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() 体長81-94 cm、体重 5 kg(オス)3.8kg(メス)、翼開長 180-200 cm。頭部の薄い灰色は変異が大きく、年齢を経るにしたがって白くなる傾向がある。嘴の先端がピンクに見える点、腹側の羽毛の模様が一様である点でオオフルマカモメと異なる。またオオフルマカモメと異なり、本種では白色型は出現しない。 ![]() 繁殖地は亜南極の島々に限られている。外洋ではオオフルマカモメとの区別が難しいが、南緯30-64度の海域にみられる。 ![]() 繁殖地は草に覆われた斜面や岩場で何らかの風よけがあることが多い。採餌場所は海岸であることが多く、ペンギンの営巣地のそばなどによく見られる。 ![]() オスとメスで餌と採餌行動が顕著に異なっている。オスはおもに腐肉食者であり、アザラシ(オットセイ、ゾウアザラシ)・ペンギン(イワトビペンギン属)・ミズナギドリ(マダラフルマ、ギンフルマ、ナンキョクフルマ)などの死体を主に海岸で食べる。メスは主に生きた餌を海上で捕食しており、オキアミ、イカ、小型ミズナギドリを餌とする。海上ではおもに表層ですくい上げる方法によって採餌するが、2mくらいまで潜水することもある。漁船から捨てられたゴミなども食べる。サウス・ジョージアのバード島で行われた衛星追跡の調査によると、本種は同所的に生息するオオフルマカモメよりも北の海域・島に採餌域を持っていた。一方、採餌域の性差をみると、オスはサウス・ジョージア島の海岸でのみ採餌を行い、メスは島の西側の海域で採餌していることが多かった。本種はオスの方が体サイズが大きく、体サイズが大きい方が海岸での死体などの餌をめぐる競争の際に有利であるので、このような採餌場所の違いが生じたと考えられている。 | |
![]() ![]() 繁殖は8月に始まる。基本的にコロニーは形成せず単独で営巣する。巣は草を60cm近くまで積み重ねて作られる。230-280gの卵を1つ産む。抱卵期間はおよそ57-62日。雛は灰色の羽毛に覆われている。ふ化後2-3週間は親が抱雛する。巣立ちまでは106-120日を要する。性成熟するまでは6-7年かかる。 ![]() 個体数の総計は7000-12000つがい、そのうち3000つがいがサウス・ジョージア島、1300つがいがクローゼ諸島、1450-1800つがいがケルゲレン諸島、1000-5000つがいがニュージーランド周辺の島々に生息している。サウス・ジョージアでは個体数は増加傾向にあり、これは餌資源となるアザラシ類の個体数の増加と関係がある。サウス・ジョージアのバード島に生息する本種のメスの海上での採餌域は、サウス・ジョージア島周辺の延縄漁船の操業海域と大きく重なっていることが明らかとなっており、混獲による死亡の増加が懸念されている。 |